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   <title>北剏舎日記</title>
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   <updated>2008-11-30T09:50:50Z</updated>
   <subtitle>このページは、宮城県にある学習塾「寺子屋 北剏舎（ほくそうしゃ）」の日記です。
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   <title>何を思う？</title>
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   <published>2008-11-30T09:50:47Z</published>
   <updated>2008-11-30T09:50:50Z</updated>
   
   <summary>仙台の師走の風物詩？ケヤキ並木の光のベージェントとやらがまた始まる。今や全国各地...</summary>
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      <![CDATA[<div class="caption">仙台の師走の風物詩？ケヤキ並木の光のベージェントとやらがまた始まる。今や全国各地に広がっているそうな。私には、生き物に電飾をまとわり付かせるその感覚が信じられない。反対の声を挙げようものなら非市民！の非難を浴びせられそうである。ＪＲも福島、盛岡から臨時列車をはしらせる。写真は昼間の欅、地面から延びる黒いホースのようなものが電源のコードらしい。夜、お出かけの予定のかた、是非昼間もご覧を  正史</div>
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   <title>11月・進路説明会＆トーク</title>
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   <published>2008-11-22T13:34:35Z</published>
   <updated>2008-11-28T07:11:46Z</updated>
   
   <summary>・・・１１月ともなれば・・ 推薦願書あり、年が明ければ２月の私立の入試、３月の公...</summary>
   <author>
      <name>北剏舎</name>
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      ・・・１１月ともなれば・・
推薦願書あり、年が明ければ２月の私立の入試、３月の公立入試と
ここからが本当の受検勉強が始まるともいえる。
この時期
「高校生になった卒業生に
１５歳の
あの時、どんな気持ちでいた？どんな毎日だった？
どんな勉強した？どんなことで
志望校を決めたの？」
高校生の本音トーク。進路説明会を開いている。
いいことばかりでなかったはずだ。
塾の行事にしたのは夫で、
高校１年生は呼びかけに毎年よく来てくれる。

今年も土曜日の部活に出席できないのは分かっていても声をかけたら
１０名は快くだった。

さて、１時開始のはずが資料１９ページができていない。
１時前に来た中３を手伝いに
お待たせのご父兄に「申し訳ありません、」
詫びながら・・・の最中に
１６歳の卒業生はやってきた。

本音トーク１６歳に夫は一つの質問を全員にしないようだ。
一人に一つくらいの質問・・

「一番端に座っているＳ君、１年前は？」
Ｓ君しょっぱなで
「えーっ、先生、僕ですか。
実は１年前の今日、この進路説明会の時
今までで
最低の成績で、
先輩の話を聞いて
去年のこの日から僕は勉強を始めました・・」

・・そうだったのか。
それは覚えている。
Ｓ君は
「先生、みんな頭がいいんですね・」
紅潮していたが、不安な顔してた・・そう思ったのは私だけで
発奮になったとは・・初めて聞いた。

Ｋ君
「親にぐちぐち（勉強しろ）言われて
今に見ていろ・・勉強しました」
「親に感謝してるのか」
夫に
「ええ、まあ」
Ｋ君の屈託のなさに教室はまさに本音、救われ笑った。

そうよね・・息子に言いたいことを言ったお母さん
付き合いは長いです。
今年の３月、合格した時
教室に来て、真っ赤な目をして
「玲子先生、どうなることかと思ったけどよかったあー」
その一言、すごく分かりました。
長男が公立が残念だったのに次男も三男も迷わず入塾なんて、
第一子がつらい思いをしたら、別の塾をと思ったりするのに、
ありがたいことでした。
そりゃ・・次男には手厳しいことも言いたくなりましたよね。
それも分かります。
Ｋ君のお母さんの背中は次男の話を聞いても堂々としていた。
それでいいですよね。息子を一番案じたお母さんだもの。


「Ｍちゃんに聞きます。入学した高校はどうでしたか？」
夫の問いに一息のんで・・

このＭちゃん・・一度は部活で出席できないはずだったが、
前日になって電話が・・
「部活はなくなったんですが、人前で・・」
「話すのが苦手？」
「はい」
「私の気持ちを話していい？」
「はい」
「進路説明会の（高校生のトーク）はいいこと言わなくてもいいの。
去年の自分のありのままに言ってくれれば、いいの。
もしかして、中３の誰かが今日、ここに自分のために
座ってくれている卒業生に有難うと感じる人がいて・・
そう、思う人がいるかもしれなくて。
格好いいことなんかいわなくていいよ。
私はあなたが明日、塾に来て中３の前に座ってくれることが嬉しいんだから」
「行きます」
「待ってマース」

そのＭちゃんが話した。
「私は成績がアップダウンで本当は行きたい高校があったんですが、
受ければよかったかなってあとで思ったんですけど、
でも、今の高校に決めて・・よかったです。
志望校は（誰に言われても）・・無理しなくても
自分にあった高校でもいいと私は思います」
人前で話すのが苦手なんて思えないほど自然な話し方だ。

「去年失敗したこと。これは良かったことは？」
Ｄ君
「親が公立を落ちたら私立でもいいから・・
僕は気楽になって公立を受けることができましたね。
親と塾と友達と支えになりましたね」

「中３のご父兄に一言、言うとすれば？Ｔ君」夫の指名に
Ｔ君は
「僕は親に勉強しろとは言われなかった、もし、（親は子どものことが心配なら）
今北先生に言ってもらうとか
そういうのがいいと思います。
親に言われないとどうして言わないのか？
自分で考えるし・・
僕は親に言われなかったのがすごくよかったから・・」

Ｔ君のお母さんになるほどと思った。
案の定、夫も思ったのだろう。
「お前に聞いたのは理由があって・・今だから言えるが・・
お母さんがしょっちゅう電話をよこしてたんだよ・・勉強しないって。
どうしたらいいだろって、俺はお前は大丈夫って・お母さんに言った。
そうか、お前のお母さんは何も言わなかったのか」
「はい」
Ｔ君は・・うなづいて、いい顔していた。

「この時期、１１月頃からお前は勉強してたよな」Ｔ君に更に聞くと
「はい、去年の今頃、この時期に社会が悪くて
今北先生に聞いたら教科書を読めと言われてもなかなか頭に入らなくて・・
でも、今北先生の言うことを聞いて教科書を読みました。」

「それで、お前の本番の社会の点数は何点だ？」
「９６点」

中３の中にも同級生の中にもため息が漏れた。


推薦が受かった時のこと・・
Ｙちゃんは
「なんか（他の人より）楽した気持ちで」
言葉少なに・・これでいいのか、煩悶した一言・・
いいのよ・・合格は合格です。私は思うよ。

最後に一言・・夫の質問に
Ｓ君
「さっきも言いましたが、去年の今日、先輩の話を聞いて僕もできるのでは・・と思ったんです」

Ｋ君
「僕も去年の今日、（この進路説明会で）勉強を始めました。
一つ上の知っている先輩が高校に入って９番ときいて、今まで一緒に遊んでいた人だったので
すごいと思って、
なんか、自分もできる、と思って・・・
僕は公立の志望校提出のギリギリのその朝に決めたんですけど
今までＮ高しかないと言い続けて、
でも、その朝、Ｓ高にしようって思って。
自分はそれまで本当に入りたい高校は
決めてもいなかったような気がして・・ただ、言っていただけ、みたいで
初めて自分で決めたっていうか、なんか、決めました・・・」

このあたりからだ。夫は口数が少なくなりはじめた。私も何か？
これと言えないものがじわじわとやってくる。
ともすれば涙が出てきそうだ。
この気持ちはなんだろう？


１年前、
今座っている高校生は毎日、毎日時間通りに授業以外でも通ってきた。
皆、
言わなかっただけで
自分の成績の不安を抱え、それでもなんとか
「高校に行きたい」
「俺ってやばい」
「どうすればいい」
「どうしたら勉強できるのか」
「私は無理しなくともいい」

言えないよね。当時１５歳じゃ、。
言えるのはそこを過ぎたからだろうね。
１年前は胸にしまって
ご飯食べて、学校に、塾に、行く道帰る道
いろいろ考えたのだろうなって思うと・・

傍目には
やる気がない、ように見えたが、いつ、やるのか？やきもきしたが、
そんなことはない。
大人の望むような、がんばります、なかなか言えなかったかもしれないけれど
さっさとできないかったかもしれなかったけれど
親の絆もちゃんと感じて
高校生になりたくて懸命だったのだと思うと・・・

何か言わなきゃと思うが、のど元が封鎖されている。言葉が出ない。

「学校の先生にどこにも入れないと言われて目にもの見せてやるって思いましたね」
「交通費が安いからここに決めるって親に言ったら
いきなり、ダメって言われて」

けなげに歩いて来たんだ。

みんな、いろんなこと思っていて、
暮らしていたのよね。

自分で切ったり貼ったりの
初めて見せてもらう、ちぎり絵の絵のようで・・・

帰りしなに
「すっごく、すっごく感動しました」頭を下げた。

「玲子先生有難うございます」
「そんなのいいです」
「お世話になりました」

塾の階段を１年ぶりの同窓会、笑って下りていった。

夫は
「そっか、ありがとう」
「そうか、ありがとう」
そればかり繰り返していた。
夫も私と同じだったのだと思う。

今日来た人も来ない人も
いろんなことを思って
１５歳を乗り切ったのだなって・・
じわじわって来た。

今日の雰囲気は
本音トーク、皮切りの
Ｓ君からだ。
しょっぱなに
「ボクは去年のこの日、高１の先輩の話を聞いて勉強したんです」

その一言が伝播するように
皆、次々
言い始めた。

言えば、それぞれの１０人の１５歳だった。

何も思わない子どもはいない。
言わなかっただけなのね。

昨年の本音トークで話してくれた高２の皆さん、
あなたたちが塾に来て中３の皆に話したこと・・
伝わったのだと思います。

去年高２の皆さんからもらった気持ちを
何人かが言葉にした。
「中３のみんなも
やればできる、と思います。今北先生の言うことを聞いて
がんばってください」

あたり障りのない言葉だが、脅かされるより心が動くのは
「あなたはやればできる」
・・・・
あたたかい気持ちはしんと胸の奥まで行って残って、
また、それを誰かに伝えたくなって、伝わって
つながっていったらいいですね・
高１のみなさん、ありがとう。
高２のみなさん、ありがとう。
高３のみなさん、それ以前のみなさん、改めましてありがとうございます。

今北玲子















      
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   <title>いいな</title>
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   <published>2008-11-10T14:56:05Z</published>
   <updated>2008-11-27T15:53:51Z</updated>
   
   <summary>染みる言葉がありますね。 「幸福は伝染する」 宇野千代 「静かにいくものは健やか...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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      染みる言葉がありますね。

「幸福は伝染する」
宇野千代

「静かにいくものは健やかにいく。
健やかにいくものは遠くにいく」
城山三郎が愛した言葉・

いいな・・

「人のせいにするものではない。何も言わなくとも人はわかる」
私の祖母（１９０４年生まれ）の
口ぐせ・・

いいな・・


今北玲子
      
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   <title>定禅寺通り</title>
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   <published>2008-11-07T14:12:41Z</published>
   <updated>2008-11-27T15:53:18Z</updated>
   
   <summary>中2のＨちゃんの作品がメデアテークに展示される、 お母様から丁寧なご案内をいただ...</summary>
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      中2のＨちゃんの作品がメデアテークに展示される、
お母様から丁寧なご案内をいただいて
絶対見るのだと向かった。

作品は鯉と自画像。白い石膏の中で鯉が泳いでいた。
うろこを丹念に作りこんだ作品は目を引いた。
上手！
来てよかった。自画像のＨちゃん！自分をよく描いていた。
可愛い。

ものを作るっていい.。
他の方の絵も陶芸も堪能して
外に出た。
はらり
一枚の落ち葉･･

落葉の時期・・
定禅寺通りのけやきはそろそろ冬支度で
歩けば歩くほどひらひら、はらはら、落ちてくる。
空を仰げば、風が吹くたび、てっぺんの枝の群れはざわざわ・・隣同士で喋っているように見える。
「あらら、こちらの風で・・私、一足お先に離れますね」
「ゆっくり、行きなさいよーー」
「はーい・・」
「あらら、今度は私？」
「車道に落ちないようにねえー」
「そんなことわかりませんよー」

落葉は風に逆らえない。
通りに降る葉に、思わず立ち止まった。

降る降る・・落ち葉は天から降るように降る・・

舞ってアスフアルトに音もなく落ちる。
その落ち葉の中を歩いていたら、
少し前を行く女性が突然、きびすを返した。
丁度、私の真横にあった赤のポストに御用だ。
投函するを見て、
そうだ！私も！バッグに出したい手紙があったんだっけ。

北仙台で出せばいいのに、メデアパークに行ってから、
大事な手紙を持ってきてしまった。
私も出そう・・・
女性の後に続いて投函した。

手紙の相手はこのけやきを植えるのにご尽力のあった方。
戦災復興の一環として市内の街路樹を整備された、Ｙ氏、
そのご子息に宛てたものである。

医師会報に執筆を頼まれた夫に見せてもらったページの一つに
当時、仙台市建設局長のＹ氏のご子息の文章が深く残った。

昭和20年、仙台空襲で焦土と化した仙台砂漠を、戦災復興事業として
尽力されたＹ氏が
当時の思いをいきさつを私費で作られた小冊子。

これもご縁だと思うが、
夫は、あるところでＹ氏のご子息と知り合い、
私の気持ちを夫は話してくれたのだろう。

その方は「どうぞ、お読みください」
塾まで届けていただいたから、
手紙は小冊子の礼状。

お礼の文面の中で
「お父様の気持ちを塾の子どもたちに伝えます。Ｙ氏が街路樹の植栽に
職員の合言葉として
『木を植える前に根性を植えよう』
青葉通りにも定禅寺通りにも
その心がこもっていること、そういう方々がいたこらこそ、木々が生きていること、
保護せねばならないこと、子どもたちには
木々を仰ぎなさいと添えて伝えます」

文面の約束に従って、投函した次の日、
小学6年生にＹ氏の仕事、昭和20年7月10日の仙台空襲のこと、
授業で話した。
ひとりの小学生が
「空襲は知っている。おじいちゃんに聞いた」
でも、ほとんどは
「全然知らない」

知らないのはいいのよ。
それを教えたり、話したりするのが大人だから・・
あなたたちは聞いてくれればいい。
「うん」

苦労して植えた木々のけやきは大気汚染に弱いこと、
「光のページェント」もけやきはつらいね・・・

「この木々の中を
子どもたちが
孫たちが
幸せに歩きますように
願ったＹさんの気持ち、忘れないでね」

私の下手な話に耳を傾けてくれた。

今北玲子

けやきの葉は
恩に着せることもないのよ。

はやる私の胸の中に
はらはら、さらさら
何のこともなく散っていく。

でも、でも、伝えます。
伝えたいから・・
















      
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   <title>こんな時</title>
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   <published>2008-10-27T15:01:47Z</published>
   <updated>2008-11-10T12:04:47Z</updated>
   
   <summary>授業中、夫の携帯が鳴った。 「出て」言われて出たけど、 切れた。 主を見て、 「...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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      授業中、夫の携帯が鳴った。
「出て」言われて出たけど、
切れた。
主を見て、
「Ｙ君だ。すぐにかけてやってくれ」
留守電・・・だったから
「授業中ですが、遠慮なくかけてね」
言い置くと
すぐに電話が鳴った。

「どうしたの・」
「仙台に向かっていて、先生たちに会いたいんですけど」
「いいよ、１０時まで教室にいるから」
「仙台に着くのは９時過ぎです」

言った通り９時過ぎ、
中２の数学の授業中にＹ君は入ってきた。

「ひさしぶり」

折りしも
夫は中２の生徒に激怒の真っ最中
「７割やって諦めるなよ。書けと言われたこと書けよ。
詰めが甘いんだよ。ちゃんとやれよ・・」

卒業生のＹ君は
「玲子先生、中学生と一緒に座っていいですか」
「どうぞ」

鉛筆もノートもないけど、ひたすら夫を見つめて
授業を聞いていた。
「なにかあったの？」

聞かずにはいられなかったが、
中学生のあの時のように夫を黒板を見つめてじっと聞いている。

授業が終わった。
中２の子どもたちが帰るのを
「気をつけてなっ！がんばれよーっ」
Ｙ君は一人ひとりにアシスタントみたいに子どもたちに声をかけた。

やっと、夫の身体が空いて
「よーっ」
しばし、Ｙ君と世間話が終わると
Y君が
「先生、俺、
仕事やめたくて・・すごいんですから。
この年になって
ストレスで盲腸ですよ・・」

激務を話した。
思わず、私、
「いやならやめなさい。我慢することないからね」
「玲子先生、そう言うけど、すぐにやめるのはできないですよ」

誰に言うでもない、自分に言うために来たのかもしれない。

仙台駅に降りて、実家に行かずに
真っ先に塾に行こうって思ったのね。
廊下にトランク二つ、置いてあった。

がんばらなくともいい、やめなさい。
私にそう言われたかったのだろうか。
「そんなことはできないです、がんばります」
自分に宣言してみたかったのだろうか。
「お前は詰めが甘い。７割しか頑張っていなんじゃないのか。」
夫に怒鳴られたかったのだろうか。

どちらでも、いい。
会えたからいい。
どうしているのか、
食堂をたたんで、あなたが仙台を離れて、半年、
心配だった。

「元気そうね、あなたは若いね」
「またまたー本当？玲子先生。友達には痩せてどうしたの？って言われるんですよ」


あなたが十五の時、
「だめだった、先生」
結果を報告に来て、塾の階段を
うつむいて降りる背中に思った。
乗り切んなさいね。

あなたはその後、いろいろ頑張ったと思う。
ふと階段に
「知っているよね、Ｙ君」
「もちろんです」

大好きな義母の口癖
「祈りは一人より二人、二人より三人」
こんな時
私と一緒にお願いします。
「もちろんです。」
塾の階段と一緒に祈る。

乗り切って下さい･･

今北玲子



      
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   <title>この時期</title>
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   <published>2008-10-26T12:40:39Z</published>
   <updated>2008-11-01T16:13:43Z</updated>
   
   <summary>９月、１０月、この時期、 １８歳が来ることが多い。 ＯＡ入試、指定校推薦、伴う小...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      ９月、１０月、この時期、
１８歳が来ることが多い。
ＯＡ入試、指定校推薦、伴う小論、教えて下さい。
お久しぶり！の高校生が来る。

最近、嬉しかったのは小学生まで塾にいたけれど
やめたＳ君。

「大学入試には先生しかいないと思ったので･･」
あれから
３年ぶり。
「お願いします」
柔道で養われた礼は
教室に
私に・・頭を下げた。

「どうぞ、役に立ちたいです」

塾をやめると言われると何がいけなかったのか、傷が残る。
あの時の失恋・・から３年たって
振られた相手が
「君に会いたくなってね･･」なんて言われた気分になって
「私もずっとあなたに会いたくて」言いたくなったりして・・
八杉先生はやめた子どもたちが戻ってきた時、
「出戻り」と笑って仰っていた。
私は別れた恋人と再会した気分になる。
復縁は長いこと心の下にあった古傷がすっと消える。


又一人、やってきた。
復縁ではないが、夫に進学相談。

「玲子先生にお借りした漢字練習張お返しします」
カバンから出して
「長々とお借りしました」
貸したことさえ、忘れてしまっていたが、
人様から借りたものは律儀に返す、
いい心がけだなって思った。
「あなたに差し上げます。お使いなさい」
[いいんですか？」
「いいんですよ」

夕方に又一人、卒業生。
理科と国語の受験の問題集の相談。

「担任に薄い漢字の本でも買って勉強しろって・・言われたんですけど。
薄い漢字のテキストってどんなものかわからなくて・・

特殊な専門学校受験だ。過去問題を見せてもらったら
高校入試のレベルの高いものでもいいような気がした。
入試は迫っているという。本屋に行くより４年分くらいなら、今、コピーするから、それをやったらいいよ。
いいんですか？
いいんですよ・・
「やっぱり、先生のところに来てよかった。」

塾に行こうかなって
その気持ちになにか応えられたらと思う。


１５歳に一旦、さよならしても、
１８歳、２２歳、２４歳、３０歳、４０歳
なんやかやとここを訪ねてくれるなんて、
ヤッホーです。

私なんか、恩師に賀状を失礼したり、
ご無沙汰ばかり、
皆さん、偉いなって思います。

今北玲子







      
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   <title>ちょっとしたこと・・</title>
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   <published>2008-10-15T12:50:35Z</published>
   <updated>2008-10-28T14:35:23Z</updated>
   
   <summary>小学生のＭちゃんが近づいて言った。 「黒板消し掃除してもいい？玲子先生」 「いい...</summary>
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   </author>
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      小学生のＭちゃんが近づいて言った。
「黒板消し掃除してもいい？玲子先生」
「いいよ」

いい回しによって
がらりと変わる。
・・・・
・・・「黒板消し掃除してあげる？先生」
・・・「ありがとう」

しかし、
「先生、してもいい？」
「いいよ」
「ありがとう」は発生しない。

恩に着せない言い方になるほど。
夫は
「ありがとなー」

Ｍちゃんは聞こえてはいるが
黙々と掃除に余念がない。

してもいい？
自分で断ってしているのだから、礼を言われる筋合いではない、
とでも、思っていたのか。

ちょっとしたこと
見習おう。

「教えてもいい？」

今北玲子



      
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   <title>成績表</title>
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   <published>2008-10-10T14:09:53Z</published>
   <updated>2008-10-20T12:36:51Z</updated>
   
   <summary>「前期の成績を渡します・・・」 入塾まもない子は少し驚いている。 成績表！といっ...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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   </author>
   
   
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      「前期の成績を渡します・・・」

入塾まもない子は少し驚いている。
成績表！といってもテストの素点や
５段階評価などではない。

日ごろ、感じたこと、思ったこと、努力したこと、
頑張ってほしいこと
小学生は夫婦で
中１から中３までは夫が綴る。

今日は中２に渡す日、
親御さんに郵送ではなく、
まず、本人に読んでもらう。一人ずつ名前を呼んで
「座って、これを読んでください」

はいと座って読む成績表は夫の手書きの文。

気がついた。
国語が大嫌いで文章を読むのも大嫌いな生徒だって
自分について書かれた文章は
ゆっくり、丁寧に、真剣に読むのだ。
褒められているところは
ほほがゆるんで嬉しそう・・・

自分宛の手紙は嬉しいものだ。

「学年で君は一番がんばった。」
「こつこつとよくやったよ」
自分の評価が５段階でも素点でもないことにほっとして文字を追う。

成績表は夫の発案で手紙である。

「親御さんに見せてね」
「はい」

「ありがと、ございました」

強要したことはないけど、
起立･直立して挨拶していく。

中３の息子が折しも学校の成績表を持ってきた。
神棚に供えて
「拝見」

数字ばかりが並んでいる。
所見にやっと文字を見つけて読む。

係りをよくやったこと、書いてあった。よかったです。
数字メインの
成績はそれは仕方がないが、文字が恋しくなる。
でも、いっぺんに大勢の子どもたちとの毎日は先生も大変だろう。

ふと、２２歳の教育実習のことを思い出した。
運動会の総練習で正面の校長先生に向かって
ザックザックと一列になって行進してきた。
職員の末席にいたが、私に向かって大人に向かって
一心に
行進ではなく、やってくるように思えた。
名さえ顔さえ分からない子どもたちに
一体、
私はどうなってしまったのだろう。
ぽろぽろ、涙が止まらない。
この子どもたちは生きているんだ。

皆さんにも・・

わが子の運動会で子どもたちが走るのを見て･･。
笑うのを見て･･

ほおばって食べる顔見て
ああ・・
可愛くて、可愛くて、
いい子だなって思うこと･ありますよね。

笑っている。
食べている。・・・･
理由などない、じわっと涙が・・する・・

教室でも思う。
なんて、いい子なんだろう！あなたがそこにいる。
どこにもいかない感動はそこ・・

「喋ってだめよ」
「ちゃんとおやんなさい」
「丁寧に字を書きなさい」
「なんで、やってこないの？」
言ったりするけど
子どもはなんていいのだろう。
火種は消えない。

塾に来て無口で帰る子がいる。
なんて、いい子だろうと思う。
喋り通しで帰る子もいる。
なんていい子だろうと思う。

私の前で
渡された成績表を
瞬きもせず書かれてある「自分」を読んでいる。
「自分」を見ている。
どの子も懸命に生きている・・・
なんていい子なんだろうと思う。

あなたはここにいるのですね。
「あなたの役にたちたいです」
手でも握りたくなる。

今北玲子











      
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   <title>時にはラップ。</title>
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   <published>2008-09-30T15:28:19Z</published>
   <updated>2008-10-20T12:52:36Z</updated>
   
   <summary>サランラップの端がどこかにいった。 透明なラップの端が分からなければ、使えない。...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      サランラップの端がどこかにいった。
透明なラップの端が分からなければ、使えない。

筒に
まとわるおびただしいラップを捨てるには惜しいものだから、
くるくる
どこが
始まりか、終わりか、
探る。
見つけたと思うと
ラップのちりちりと端は縦に割れていって
切れ目を見失う。

しょっちゅうある。

どこが始まりでどこが終わりか、

こういうとき、
そっちがその気で隠すのなら、丹念に探そうじゃないの？
筒をまわし、ラップの端をつまみ、探す。

もともと、私がしでかしたことだから
文句も言えず、
今日も
ラップの端を探す羽目になった。

慌てないように。
短気を起こさないように。

透明なラップの筒は私が顔を近づけると
お気楽に私を見ている気がする。
「ありますよ、きっと」

おおーっ
見つけたっ！

ラップの端はひらっと光に揺れて
切れ目をさらして、
丁寧に引っ張ったら
横に横になびいて
遂には一反棒のラップになった。・・・

ほーらねっ
ラップの「ピリッ」といい音がした。

探せば糸口は
どこかにある。


今北玲子
      
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   <title>昨日、今日,、明日</title>
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   <published>2008-09-29T13:45:17Z</published>
   <updated>2008-10-20T11:46:06Z</updated>
   
   <summary>課題を何もしてこなかった生徒が軒並み夫に怒られた。 「塾に来れば成績が上がると思...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      課題を何もしてこなかった生徒が軒並み夫に怒られた。

「塾に来れば成績が上がると思ってるのか！
お前たちが一生懸命に勉強してはじめて
成績が上がるんだ！」

ささやかなプリントさえ、
やってこない、生徒が怒られていた。
カバンの中に手付かずのプリントがあるのだ。

塾に来て、ただ座って、成績は上がらない。

そりゃ、時間をかけて教える。
行けば何とかなる、日もある.ことはある。

量が足りない時だ。
「お前にはこれが必要だぞ。がんばれ、やってこい」
「はい」
「これだけはやって来い。あとで困らないようにな。
なんとかやってこい。」
「はい」

そう言われれば、はい、とは言うものの
勉強は楽しくはないのだろう。
やってこないのだ。

子どもたちは昔も今も変わりはないと思う。
やれと言われてもできれば逃げてしまいたい。

夫はこの間、
「学ぶことに
誠実になれよ。」
大声で言っていた。

できる、できない、
評価の問題ではない。
いい点数をとるためではなくて
いい高校に入るためではなくて
知ることに
誠実になれ！

いい言葉だなって思った。
　
昨日、今日、
そして、
明日、

継続は力なり。
一理あるけど、そういうことでもない。

毎日、漢字１０回書き続けたとして、覚えないこともある。
字を見て、２回、
覚えられなければもう１回、いいです、それぞれで・・

風邪なら、なにもしなくともいいです。

でも、
まあいいや、こんなもんで・・
ぺらぺらでいやいやの勉強は
継続しても
たいした力にならない気がする。

あなたは
あなたに

これでいいのか・・
飛ばしていいのか・・
ちゃんと知りたくはないのか･･
いい加減にしていないか・・
分からなければ、なぜ考えないのか･･
考えても分からないのなら、なぜ、聞かないのか・・

分かるってことに
誠実であってほしい・・

脅かされて学ぶのは
苦しいですね。
でも、勉強は
楽しいばかりでもないですね。

芯があったらいいですね。

誠実であれ・・・
どうぞ・・・

夫の言葉に
私は共感する。

今北玲子






      
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   <title>誕生日</title>
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   <published>2008-09-27T15:25:20Z</published>
   <updated>2008-10-13T15:25:10Z</updated>
   
   <summary>娘の誕生日、 「もう大人だから・・何もしなくていいよ・・」 娘が言うから、 そう...</summary>
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      <name>北剏舎</name>
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      娘の誕生日、
「もう大人だから・・何もしなくていいよ・・」

娘が言うから、
そうね、大人よね･･

何もしないで
夕方家に帰ったら
テーブルに咲くカスミソウ・・

「自分で買ったの？何もしないで・ごめんね」
花さえ、自分で買ったのかと思うと申し訳ない気がした･･

「違うの、お母さん、
私を産んだ人にね・・」

私の好きな
カスミソウ・・

産んだ人ですか･･
なんだか、すみませんね・・

井上光晴・・
直木賞受賞の長女井上荒野が７歳の時の述懐。
「小さなランドセル背負って
『行って来ます』て
学校に行ったんだ。
それを見送ったら
この子が
これから生きていく長い人生の途上で
苦労する数々のことを思いやって
可哀そうになって泣けてきた。」

塾に
学校帰りでランドセルを背負う子は汗だくの夏の日にも、
寒ーい！の冬の日にも、
愛しくて。

背中のランドセルは・・
親なら、
可愛い背中の持ち物は複雑です。
ランドセルがもたらす、
成績、将来・・。

確かにわが子の成長は嬉しいけれど

ランドセルの代物には
暗雲も希望もつまって見える。

母乳を飲まないだの、離乳食を食べないだの、
なんのかんの、そんなこと･･
ここまで育った恩など、きれいさっぱり忘れる。

ランドセルを子どもが背負う時、
一抹の不安がよぎり、
一縷の望みが広がる。

７歳の子に背負わせたのは
国だか、
親だか。
これから大変だよって、声がしたのを思い出す。
嬉しくて、
不安で
その後姿に・・
つと、泣いた気もする。
わが子がかわいそうで泣いたって気持ち、あった。


娘が
「おかあさん、おやすみなさい・,ありがとうございます」
毎夜、私に
深々と
頭を下げて
一礼して部屋に引き上げる。

しつけたわけではない。
どこで学んだか。
問うこともしないでいるが、・・

産んだ人ですが、
あなたの誕生に力を貸しただけで
礼には及びません･･

娘が私の前に生きている。
むしろ、どなたかに一礼、しとうございます。

ランドセルの
親の夢・不安･
所詮、
子どものも持ち物は
お互いの故郷みたいなもんです。

娘の就寝の一礼は
ランドセルを終えたからこそ
ありがたく思えるのだろうか。

わが子がまだ、ランドセルの
塾生の親の皆様、卒業生の親の皆様、

いつか昔・・
重かったランドセルを背負って
何とか生きてきたことを
思いだしますよね。
そうやってここまでなんとか生きてきた。

どなたかに一礼しとうございますね。

カスミソウが
そうなさいまし、

ぽちっと
花々
大勢で
私を見る。

産んだ人・・
やはり、それは
たいしたことではないように思うけど
ランドセルを背負っては、制服を着ては
どっかこっか、心配ばかり・・・だったような気がする。

今日の誕生日の長女の時、
力が弱い気がしてその夜、眠れなかった。
次の日、
先生が「心臓に欠陥があります」
「命に別状はないんですか」
「ないです」
それならいい。
生きていればいい。
その後、自然治癒して元気になった。
気持ちはさっぱりとした青空になって嬉しかった。

誕生日に産んだのは私だから、あれやこれやと誕生の話をしたくなる。
毎年、同じ話でどうかと思うけど、何度も話したい。
陣痛がいつ始まって、いつタクシーを呼んで、
いつ、生まれて・・・
話したくなる。

聞いてね。あなたの生まれた日のこと・・・

この子が生きてほしい、ずっと生きて、祈ったこと。

無垢な
小さな身体を抱いて
アリガトウ、を連呼したこと・・

今北玲子






      
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   <title>おめもじ</title>
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   <published>2008-09-27T11:34:01Z</published>
   <updated>2008-10-03T10:31:53Z</updated>
   
   <summary>教室に入るといた！ いた！ 　Ｉちゃんの連絡通り、 「先生に子どもを見せに行くか...</summary>
   <author>
      <name>北剏舎</name>
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   </author>
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      教室に入るといた！
いた！

　Ｉちゃんの連絡通り、
「先生に子どもを見せに行くから」
もう、来ていた。
いいもんです。

すやすや母の腕に抱かれてその子は眠っていた。
抱きたい私の手がうずうずしたが、大切な赤ちゃん
見るだけでいいか、
迷っていたら、

「玲子先生、抱いてくれる？」

願ってもない。
抱かせてもらえる？

ふわふわの
　Ｉちゃんの愛息
「男です。玲子先生」

「なんて、めんこいの。」

小さな命は誰の手に移っても眠っていた。

人が生まれて、愛する人と出会って、
その赤ちゃんが生まれて
縁で
私が見せてもらうって、抱かせてもらうって

その命に、
私、つまらない者ですが
はじめまして。

あなたにおめもじ叶いました。・・・

寝ているうちにつれて帰らないと･･
Ｉちゃんは頃合見計らって
「帰るね、玲子先生」
「うん、疲れないように。忙しいから来なくていいからね」
「大丈夫。又、来ます。今北先生。これ飲んでね、ガンにならないから」
豆乳飲料の差し入れを指差して、笑った。

「今北先生が元気でいるのを祈ってるから」
教室を出る時も笑った。Ｉちゃんは幸せで笑う。昔から笑う。いい性格だ。
ばあちゃん･元気？

塾の玄関に出て親子を見送った。
私に手を振り、
赤ちゃんを片手で米俵担ぐみたいに横断していった。

たくましいお母さんになったね。
父も母もいないけど、
ばあちゃんに大事に育ててもらって
いい人とめぐり合って
お母さんになったもんね。よかった。

Ｉちゃんはまだ、見送る私に気づいて
赤ちゃんを
俵抱きしたまま、空いた左手を挙げ
「先生！」
大きく振ってくれる。

私も大きく手を振る。
「またーね。」

ふと
数年前の卒業生を思い出した。

その頃、いろいろあってどうしようもなくて
二人の子を手でひいて、一人をおんぶして
玄関に親子４人で立っていた。

「玲子先生、どこにいけばいいのか。わからなくて・・」
我が家に上がってもおんぶの子を下ろさない。
「おろしていいよ」
「いいんですか」
「背中の子を下ろして休んで」
「いいですか」

おんぶの子にしつらえた座布団・・
「ここに・・」
「寝せてもいいですか」

汗だくで、
遠慮して私に抱かせることも
思いつかない。
ずっと、おぶいつづけるつもりだったのだ。
背中の子はおんぶをはずされてもすやすや、座布団に寝た。

しばらく、話をして帰っていった。

それから、もう一度来て、連絡が途絶えた。

子どもを抱いた卒業生が来ると
思い出す。

泣いてない？Ｓちゃん・・

便りのないのは無事の便り。

あなたは母なれば子を守り
強く暮らしているね、きっと。
私のところに来たのは、気の迷いだったかもしれないね。

女は夫がいれば、子を持てば、いろいろある。
でも、
あの時、
いっぺんに三人のあなたの子どもたちに
おめもじしたのに・・

あなたの暗い顔ばかり気になって
どうしたのか、とばかり思って
あなたのことばかり、気になって

玄関にどんな事情で立っていたとしても
「生まれたのね、３人も。よかったね。おめでとう！
会わせてもらうね。」

真っ先にあなたに言えばよかった。
座布団の三人目の子を抱かせて！
言えばよかった。
ごめんね。Ｓちゃん、

会いに来てくれたのよね。ありがと。

卒業生が母になる。父になる。
教え子ではなくて、同志になった気分になる。
がんばれーって思う。
　
今北玲子








      
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   <title>キャンデイ</title>
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   <published>2008-09-19T14:50:09Z</published>
   <updated>2008-09-27T12:00:05Z</updated>
   
   <summary>「こんばんわ」 あらら、高１の卒業生３人。Ｋ君、Ｙちゃん、Ａちゃん 「どうした？...</summary>
   <author>
      <name>北剏舎</name>
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   </author>
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      「こんばんわ」
あらら、高１の卒業生３人。Ｋ君、Ｙちゃん、Ａちゃん
「どうした？」

「中３の激励に来たの」
ガッツポーズをした。

「待って、主人に言うから」
「いいすっよ。授業中だし」
３人は夫の教室を覗き込んで、いい、いい、手で押しとどめる。

そんな・・
「卒業生です。」
隣の部屋の夫に伝える。
「おおーっ、入れ。」
気後れして、
「いいすっか」
「ちゃんと入れよ」

招かれて３人は照れた。
「皆さんの激励だそうです。」
私が言うと
一斉に中３が振り向いて、
３人は尚、照れた。

高校生は中３にとって羨望だろう。
聞いてみた。
「去年の今頃はどうでしたか」
「勉強しなかった」
（おっと、中３を変に安心させちゃだめよ・・）

「やめて、それは」
慌てた私を
察知して、Ｋ君が言い直した。
「いえ、先生、できなかったんです」
３人はよく勉強したのに
謙遜したか、中３を焦らせたくなかったか・・
まあ、詳しいことは１１月の塾の行事高校進路説明会で聞くね。
（進路説明会とは
毎年、１１月に
「本音で語る」進路説明会と題して
受験までどんな勉強をしたか、入った学校は自分にとってどうか、
パンフレットでは語られない本音を高１をゲストに中３と保護者に聞いてもらっている）

高校進路説明会、来てくれる？

「はい、来ます。」
「今度はあなたたちが後輩に話してくれる番だから、お願いね」

階段を降りる３人は
「あっざーす」

卒業しても塾に行かなきゃ、
そう、思った３人の差し入れは
ふた袋のキャンデイ・・

毎年、
夏の終わりに、秋口に、私立の直前に、公立の直前に、
卒業生が来る。（春はない。「希望とやる気の春」です）

ある年は
「初給料で中３に差し入れをしようと決めていたから」のルーズリーフだったり、
「暑いから」お茶だったり、
中３の時、誰かにもらった記憶を誰かが覚えていて、
誰かがやってくる。

心細いけど、やる気が起きなくて、焦ったあの時を思い出すのだろうか。
十五の自分の季節のかけらを拾うのであろうか。
卒業生の激励の笑顔を思い出し、
私もそんな者になりたいと
階段を上ってくるのだろうか。

卒業して一度離れた塾のドアを開け、
階段を上ってくる人情に

「ありがとう、・・」
帰る背中を追いかけて
手を振る。

とんとんと降りた玄関で
３人はさっと
靴をはき、笑いながら
あけた玄関のドアから秋風の吹く。
塾の階段を駆け上がる秋風のある。

「どう暮らしてもお前の一生のうちの一日なのだ。
俺はうるさく文句言うつもりはない」
幸田露伴がごろ寝の息子にきっぱりと言うほどの、
覚悟は私にはない。

でも
「どう暮らしてもあなたの一生だが、
まだ、十五才、
自分の力を自分で踏みつぶさないで。やれるだけやってみて」

・・思う。

１５才の皆にも私にも
どちらさんも
秋が来ました。

せめて、しゃんと
行きますか。

今北玲子




      
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   <title>お茶でも。</title>
   <link rel="alternate" type="text/html" href="http://blog.hokusohsha.com/2008/09/post_106.html" />
   <id>tag:blog.hokusohsha.com,2008://7.420</id>
   
   <published>2008-09-03T13:54:51Z</published>
   <updated>2008-09-09T11:52:09Z</updated>
   
   <summary>秋の匂いがする。 塾では定期試験の勉強で連日、中学生が授業の日を問わず、 満杯に...</summary>
   <author>
      <name>北剏舎</name>
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   </author>
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://blog.hokusohsha.com/">
      秋の匂いがする。
塾では定期試験の勉強で連日、中学生が授業の日を問わず、
満杯になっている。

夏の疲れ・・
中３の
「よーし、やるぞ・・」
春からの満々の気迫も緊張も
夏過ぎて、少し緩んで力が出ない頃でもある。
ぐずぐずとやる気の起きない気持ちをもてあまし、
半端な残暑にいる。

私も、同じ、
夏にまだ、追いかけられている気がする。

いや、
大人は朝から晩まで追いかけられて、追いかけて・・逃げて・・・・
時間を友達にはできないですね。

その点、小学生はのんびりと体感している気がする。
「つまらない」
よく言いますね。
時間がゆっくり流れているからでしょうか。
何をしても
大人より一日はたっぷりあるから、
休日ともなると
時間と遊べるから、
時間が恐ろしくないから
友達だから、「つまんなーい」って言える。

私も
ここらで、夏にさよならするにも
秋にお目もじするにも
季節の変わり目の挨拶代わりに
今日は
夏の延長みたいに追われて
あれして、これして、
やめることにした。

追いかけて、追いかけられての節目のない毎日は
生活のためといえ、
用事をこなすためとはいえ、
やめようか･･
夏に最敬礼、秋に敬礼。

今日は、
歯科医の診療、そのあと、銀行に行って、昼食とって
小学生の授業の準備をして、６時に授業を終えて、夕食をこさえて
また、塾に行って９時半に家に戻り、又、夕食を準備してお酒を飲む。
一通りの予定が見えるが、
今は午前９時半。
歯科の診療予約まで１時間。
ちょっとだけ「私の時間」と向き合うことにする。
気持ちばかりの季節の屑々の儀式といいますか。

せかされれば、家事をして一時間はすぐに使い切る。

テーブルに座って
使い道を考える。

何もしないでいましょうか。

時間は
そうと向き合えば、
素直に
「ご自由にお過ごしなさいまし」
止まる。

たまには
あなたの背中を追いかけない。

たまには
あなたに背中を見せない。

「私の時間」のあなたは
トイレ、風呂場の掃除はどうしました？夕食まで３０分しかありませんよ。
トントン、肩をたたいても私は振り向く気配もなくて、
年がら年中、私に「忠告、注進」
さぞやお疲れでしょう。
それは私の子供の頃からですよね。
今日の宿題したの・・夏休みの宿題は･･･受験は大丈夫･･何もしていないのに寝ちゃだめ･･
あなたは私のためにせっせと話しかけ、

私はこれといったお礼も言われずにねえ・・
たまには、
私の一時間、あなたもごゆっくり、どうぞ。
私は何もしませんから、あなたも何も言わなくていいです。

「願ったりで・・
あなた様は、そうそう、私の言うことを聞きませんで･･
こうした方がいい、ああした方がいいかと、思いまして･･
あなた様の時間をお供するには、こちらの勝手でございまいますが、
あなた様は私を引っ張るのではなくて、私が見かねて口を出す連続で
できれば、ついて来い、リードしていただきとうございました。
おわかりいただければご自由でいいと思います。
そうして、お暮らしなさいまし。今、自由にしてほしいとおっしゃるなら、
あなた様ももう大人ですから
納得でございましょうから、
私も気が楽でございます」

目には見えない時間とは
大切な相談役で、
指南役で、
なのに、
今まで、お目にかかりたいと引き止めたこともなくて、
お礼の一言も申し上げずに、心配をかけ通しで
相すみません。

「さあさ、どうそ」
お茶をすすめたこともございませんでした。
忙しいあなたを
ただただ、追いかけ回しておりました。
あなたの
よかれと思うアドバイスも聞きませんでしたね。

たまには私とお茶でも。

私は何もしないのだから、
どうぞ、休んでくださいまし。

さて、と・・・
何もしないと決めた
一時間というあなたは
何もしなければ、
本当にゆっくりと長いもんです。

過ごしてみると
つまらない・・と思いますね・・
テレビもない、本も読まない、
何もしない･･・・何もない･･
子どもの頃が戻ってきました。
「つまーんなーい」

なにもしない休憩は
何をしたいか、よくわかるものでございます。
うずうずとわかるものですね。
「時間」は黙っていても心ん中を照らすんですね。
恐れ入りました。


秋の匂いがするから
虫の音も聞きます。
長年、共にしてきたあなたの言うことも聞きますね。

「無理はしないで」
「はい」
私は初めて言うことを聞くのではないでしょうか。

１５歳の塾の子どもたちとの
「それぞれの時間」の皆さんへ・・
肩先に止まって、肩を抱いて、
「さあ、ペンを持って」
「テレビを消して」
「３月に合格で笑うんですよ」
「あなたはまだ、これっきりというほど勉強はしていませんよね。やってみなさい」
「まだ、半年もありますよ。行きたい高校まで走んなさい。よーい・ドン」

教師の言うことも親の言うことも聞かないけれど
「時」の
あなたのいうことは胸にしんと通ります。
気がつくように、こうしちゃいられない、と思うような、
大きめの声で話しかけてくださいまし。

言うこと聞かずじまいの私がお願いするのもなんですが、
毎年、秋風吹く、この時期になると
心配になりまして、
よろしくお願いいたします。
（１８歳以降の卒業生の受験生にもお願いいたします。）
今北玲子





      
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   <title>機嫌</title>
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   <published>2008-08-28T15:10:51Z</published>
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   <summary>人の機嫌のよしあしは難儀である。 こちらが上機嫌でも 相手がなにやら不機嫌であれ...</summary>
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      人の機嫌のよしあしは難儀である。

こちらが上機嫌でも
相手がなにやら不機嫌であれば、
言葉を拾い、少しでも心持を戻してもらおうと苦心するが、
不機嫌の大元は
「わかってもらえない」・・だったり
「思い通りにならない」・・だったり
私の力量ではなかなか、うまくいかない。

小学生は授業中、たまに不機嫌になることがあっても
二つ考えると収まりがつく。
夕方でおなかが空いた。
疲れて眠い。
母親に「おなか空いたア」
「眠いよお」
言えるのに塾の先生には言えないから、我慢する。
鉛筆の走りもそりゃあ、鈍くなり、
「きれいな字を書いてね･･･進んでないよ･･･」
はい,
とは言うものの、
思い当たる不機嫌はどっちかだろう。
子どもながらになんとか処理しているのもわかる。
もう少しだよ、ガンバレー。漢字かるたしたら、帰ろうね。
「うん。よし・がんばるぞー」
俄然、もりもり勉強しだすからには当たっているのでしょうね。

中３くらいはわからないことがある。

息子が不機嫌。
成績がよくないのです。
自分のせいです。
でも、
気を使ってしまう。元気になってほしくて、あれこれ・・

えてして、母の立場は十中八九、
同居人の機嫌に揺れる。
いつしか、巻き込まれ、こちらもそこに陥る。
家人がいつ持ってくるかわからない突風に
応対する言葉も準備もない。

午後の気休め時、
NHK,日本の話芸にチャンネルをあわせた。

あらら、柳家小三治師匠のお出ましで正座した。
「お化け長屋」

空きになった長屋のひとつ。
しばらく、物置代わりに使っていたから、
長屋の住人は誰にも貸したくなくて、
お化けが出るということにするが・・・

声を出して笑っちゃった。
少し、ずれて困っていた私の機嫌が
笑うと戻ってくる。
ずれた隙間は笑えばそうでもなくなってくる。

悲しくとも、苦しくとも
内から笑えないのなら、
無理しても外から笑わしてもらうと
笑うたびに
こっちオーライ、もう少しオーライ、
そうそう、この辺までオーライ・・
いや、もっと、はいはい、
いたるところまで、笑えせてもらえば
不機嫌の自分の難儀も消える。たいしたことじゃない。

落語は
機嫌の舵取り名手だろうか。


笑いなさい・・な。

この世に生まれて
がんばるのもいいけれど、
笑うのはもっといい。

笑うと
なんと不思議なこと！

心の臓やら
腹の虫やら
疲れた頭の主やら
わいわいと活気が出て、
愚痴も不機嫌も
端っこにおいやって、溶かしてしまう。
「これがいいですぅ。あったかくなりますぅ」

笑うと
ポッと開いて
パーッと光る
お天道様がやってくる。

今北玲子















      
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