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2010年3月 アーカイブ

2010年3月 1日

OGの差し入れ。


四日の公立入試を目前にした昨日日曜日の昼、直前連続補講の最中に昨年の卒業生、29期生が差し入れを持って激励に来てくれた。更に六日の卒舎式の手伝いも。
一番有り難い。
ついでに?一日早いですが、と誕生日祝いも。
嬉しい一日でした。。

2010年3月13日

ひな祭りから 

3月3日

私が小学生の頃、三月三日の我家には

お雛様はありませんでしたが、、

母の和ダンスの飾り棚にいる人形、中には毛糸の人形、象牙の小さな象さん、鳴子のこけし、俄かお雛様になりました。

あの当時、同級生にもお雛様を持っている人はいなかったと思います。

私もお雛様をほしいとは思いませんでした。

 

あるとき、仙台の五輪に住んでいた父の実家に行ったときでした。

祖母が木目込み人形をせっせと作っていたのを母はじっと見ていました。

母は結婚前は家庭科の先生で、料理も裁縫もお手のもんでした。

あいにく、私は料理の筋は受け継ぎませんでしたが、

針が恋人のように思えるときがあります。

母は突然、

一番丁のマリア人形店に寄ると言いだして、当時、一番丁に大きな店構えの

人形店に飛び込むと

さっき祖母が作っていた木目込み人形の材料を

あれもこれもと大量に買い込んで家に帰りました。

 

「お雛様を作るからね」

「ほんとに作るの?」

「うん、待ってて」

その日から。母は学校から帰ってくると一体、、また、一体、と作り続けました。

お内裏様、お雛様、三人官女が・・・・・・

家に帰るのがあんなに楽しみだったことはありませんでした。

去年まではこけしや毛糸の人形がお雛様だったのに

5センチほどの小さなものでしたが、お雛様が勢ぞろいしました。

 母が作ったお雛様は豪華に見えました。

 

娘が生まれて、母がお雛様を買ってあげると言いましたが、

私は手のひらにおさまる母のお雛様がいい、と言うと

あら、そう・・・・・・・

慣れ親しんだ木目込みのお雛様を持ってきてくれました。

以来、娘には母が作ったお雛様を年に一度、見せて育ててきました。

 

子どもの頃からお世話になったお雛様はくたびれて

首はがくがく、笛も笙も手からはずれ、

がらくたのようになってしまいましたが、今年も並んでいます。

近年、お雛様の皆さんには、身分を排し、

平等に窓際に一列に並んでもらっています。

一列の皆さんに、初めて願い事をしました。

道具も人形もなんでも、百年過ぎると「ツクモ神」になると

鳥山石燕先生が仰っていました。

百年にはまだですが、

四十年もたてば、お力はおありかと存じます。

「今年は30期生、

どうかどうか、

明日の入試は無事に受けられ、

力を発揮できますように、よろしくお願いします」

 ひとりずつ、ひとりずつ、

手を合わせました。

祈りは一人より二人、二人より三人、

お雛様は総勢十五人いらっしゃいます。

祈りに加勢してくださいまし。

 

夫はひとりひとりの一字の名を、彫った消しゴムと鉛筆を

中3に渡しました。

がんばってほしい。

祈りを彫りました。

 

3月4日  公立高入試

お雛様は10日の発表までおいでいただくことにしました。

 

3時過ぎに、次々と終わりましたと連絡が入る。

昨日、受験前日に転んで、骨折したK君、大丈夫だったろうか。

 

全員、無事に終わったとのこと。K君もなんとか受けられたようです。

何よりです。

入試はまず、受けることです。

 午後に中3のNちゃんが、少し遅れてYちゃんが勉強をしにきました。

入試の日まで、最後まで一緒に!

Nちゃんは私立の推薦が決まって、変わることなく、

Yちゃんも公立の推薦が決まって変わることなく、

他の私立が決まった人たちも、一緒に勉強してくれました。

でも、入試の日まで勉強するとは、驚きでした。

最後まで一緒に、を入試のその日まで、貫き通したのだと思います。

その心がなんとも言えなくて、

「ありがとう」と声をかけたら

Nちゃんがさりげなくにっこり。

笑顔に胸打たれることってあるんですね。

Yちゃんとも玄関でばったり。

「偉いね」

いえいえ、あわてて階段を上がっていき、

その後姿も潤んで見えました。

 

3月6日  卒舎式

塾を開いて30年たちます。

一日は長いようだが、30年は短いような気がします。

心の奥で感慨は沸き起こるが、

4時開始までには、教室の掃除もしないと。1年ぶりに弾くピアノの練習もある。

 

忙しい時間は過ぎていく。アシスタントのHちゃんの力を借りて、

二人の息子も駆けつけてくれて、開始直前でなんとか準備が整った。

 

卒舎式です。

二人で綴った感謝状に、いつもながら夫は泣いてしまう。

三人兄弟をすべて預けたご家族が二組、双子を入れてこれまた三人とも預けてくれたご家族が一組、

また、

二期生の卒業生Hちゃんの娘・2世を卒舎式で送り出すのは

初めて。始まる前から、こみ上げてくるのがある。

中3の全員の、入塾からこれまでのことが脳裏を流れていく。

親でもないのに、育っていく時間を共有させてもらった・・・・・・

夫が読み上げる文章を聞きながら、時折、涙で楽譜が見えなくなってしまう。

そして、 

中3のみんなから、思い思いの文章をもらう。

紙に書く人もいれば、竹刀に、カバーケースに、パソコンに打ち込んだCDに、

さまざまであります。

実は塾をあちこち変えて北剏舎に来た、だとか、

文章もお決まりはひとつもない。

また、楽譜が見えなくなる。音もとんちんかんにもなるが、

不思議と、すべての文章は聞こえてくる。

15才の思いは鮮やかで、どれも、純粋なものでした。

 

卒舎式が終わって、教室に電気がつくと

一期生のS君、N君、Tちゃん(今度3月から娘が入塾しました)

パソコンのメンテナンスをしてくれているTちゃん、卒業生がいました。いました。

花束持って卒業生のNちゃんも駆けつけてくれました。

高1のHちゃんも菓子を持って来てくれました。

 

小さな塾を30年ですが、今や、多くの卒業生は社会人として

世の中の核となって生きている。

忙しいのに、来てくれただけでも有難い。

一期生の医師のS君は中3全員にいい本だから、と贈呈してくれた。

鼻の奥がつんとします。

会が終わって、一期生のS君に、中3全員が、

「ありがとうございましたー」

30年前の一期生のS君と、つながる気がして、また、喉の奥がつまる。

 この日はふとしたことで、こみ上げます。

 

毎年欠かさず、いらしてくださる、

柳家小袁治師匠の今夜の演目は「唖(おし)の釣り」

差別用語が敬遠されるご時世にあって、

いいものは残さねばならないという師匠の思いが伝わってくる。

誰もやらない落語は消えていく。

師匠の伝承するという気合に、芸の光が加わって、

しゃべれない唖の振りをするところは圧巻で、

小学生に大ウケだった。子どもが感応するのは、いい作品であると思う。

本当にいい話だった。師匠が素晴らしかった。

いつか、もう一度、聞きたい・・・・・

 

3月8日

九期生のKちゃんが娘を入塾させたいと電話があって

懐かしく、嬉しく、面談をしました。再会は、卒舎式以来だと思う。

Kちゃんの可愛らしい小学生が私たちの前にいた。

「塾のことを話したら、行きたいって言うんです」

立派な母親になったKちゃんが言った。なんと、うれしいこと。

早速、4月からの入塾ということで。

 

Kちゃんが別れしなに、

「先生、今でも、時々出して見てるんです」

バッグから卒舎式の、九期生のときは、学校の卒業証書をもじって

「卒舎証書」

学校より大判の証書を書いていたのでした。

それは、筒に入れて渡したあのときのまま、

21年前に卒舎式で渡したものです。

主人と言葉もなかった。

「今北先生が書いてくれたのを、こっそり出して

、自信がなくなったりしたときにとか、たまに、出して、見てるの」

隣の娘が不思議そうにしていると。

「ここの塾にいれば、ママみたいにこれをもらえるんだよ」

娘は母親の顔を見て、 こっくりとうなづいた。

 

あの当時、九九ができなくて、つまづいて、でも、

その後、論理がわかると数学が満点近い点数になったのは、

あなたの努力よね、と私が言うと、

「そうでした」

謙虚な学び心があった人でした。覚えこむ九九に、疑問が生ずると、

小学生は躓いてしまう。

でも、理詰めで夫が教えたら、何事もなかったように、

理解したのでした。忘れられない生徒です。

 

優しいお母さんになって、再会は実にうれしい。そして、

その娘と4月から勉強できる。

なんていいんでしょ!

 

3月10日 合格発表

午後3時。

私立・推薦合格の明成高調理科、宮城学院高、

公立・推薦合格の宮城野高、青陵高、

私立第一志望の、東北学院榴ヶ岡高、東北学院高、に続いて、

今日は、

二高、三高、泉館山高、泉高、宮城広瀬高、仙台高、白石高看護科に、合格でした。

皆、落ち着きました。

それに、嬉しいことに

塾はやめたのに、中3になって社会は今北先生に教えてほしい。

言ってきたT君からも合格の連絡が律儀に来ました。

 

入試前に夫が言い続ける言葉があります。

「お前が入る高校が一番いい!」

私もそう思います。

今北玲子

 

 

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