秋ですね。
傘を差して雨の中を歩いているうちに
夏が過ぎ、秋が来たようです。
7月末から8月、夏期講習。
中3は連日、8時間は塾にいました。
夫もくたくた、生徒も予習復習に追われ、
大変でしたが、
少しでも実力があがれば、疲れも雲散霧消です。
8月7日、
夏期講習の疲れを野外で吹き飛ばそう、水の森でデイキャンプ。
小枝鉛筆作り、古墳カレーで昼食、そして埴輪作りをしました。
教えてくれたのは会津坂下のSさん、
支援塾の仲間で、長いつきあいです。
以前、NHKで塾が取材され、番組になったことがありまして、
その番組を見ていたSさん、
局に電話をかけ、今北さんの連絡先を教えてほしい、と
Sさんの行動力でいただいたご縁で、
今も、親交が続いています。
Sさんは青空のような人です。いえ、青空です。
会うと、気持ちが明るくなります。
声が大きくて、冗談がうまくて、いえ、話がうまくて、
だから笑いが絶えなくて、
お腹がすくほど、笑って、笑って、
塾生にこういう大人がいますよ、
夫は紹介してみたかったのだと思います。
小枝にどうやって芯を入れるのか、
興味津津の子どもたちに、
Sさんはおもしろおかしく伝授、
私、説明はできません。
できてみれば、世界で1本だけの我が鉛筆、
木を焼いて名前を入れてもらって、女子はドングリをつけてもらって、
あちこちで、かわいい!かわいい!おおーっ!
歓声しきり。
(その後、小枝鉛筆を筆箱に入れている生徒は多く、
授業で、使っている生徒も多く、
中には、使うのはもったいなくて、
宝物として、しまってあるという人もいて、
自分で作った鉛筆への愛着はいいものですね)
昼食は古墳カレー! といっても、いたって普通のカレー、
でもご飯を、Sさん手作りの古墳の形の陶器で
(Sさんは陶芸家でもあります)
よそおうと古墳カレーになりました。
ご飯が古墳の形のカレー、間違いなく、古墳カレーで、
納得。
午後は、埴輪に挑戦、焼き上がるのがまた楽しみ。
Sさん、
「今北先生ってこわい?」って聞いたそうで、
答えた塾生、
「ビミョウ」
はいとは言い難い。
緑の広場で野球をし、小豆選手権をやり、
その日は雨もなく、束の間の晴天で、頭上には夏の青空で、
横には青空のSさんと、
日常を離れた一日は、私たちも楽しかった。
今年の夏は、照りつける日差しは少なかったけれど、
夏の思い出はやはり、夏の思い出です。
夏休みが終わり、
9月に入ると、7日から八乙女中を皮きりに、定期試験が始まります。
定期試験の後ろに、
内申という、怪獣がいます。
きちんと自分の目標の点数を食べれば、
合格への力強い味方になってくれるが、
不満の点数では行く手を阻む厄介な怪獣です。
存在は分かってはいるけれど、
中1、中2に
実感はない。
中3は必死で点数を上げるつもりだが、
目指す点数に辿りつけるか、誰もが不安。
大人が考えた、よかれと思っての、普段の成績も加味するという
入試制度ですが、
中3になって、よし、やるぞ、と本気で勉強する生徒には、
点数を伸ばして、合格ラインに達しても、
過去の点数が、志望校の門を閉ざし、
諦めざるを得ないこともある。
勉強しなかった時期を水に流してはくれない。
履歴は消えない。
だから、私たちも必死にならざるを得ない。
中3の志望校選択のとき、
内申が邪魔をしないように、志望校を断念しないように、と思う。願う。
親御さんも同じだろうと思う。
しかし、過去の成績が悪かったとして
だから勉強しなさいっていったでしょ、とは言いたくない。
言っても仕方がない。
もしかして、甘くみていた現実が、その挫折が、
次の奮起につながるかもしれない。
受け入れるしかない。
と、思いながらもです、
やはり、
1点でも2点でもと点数にやっきとなってしまうは毎度のことです。
曲解甚だしく不遜ながら、
ほんのほんの、ちょっぴりだけ、
雨にも負けず、風にも負けずの心境になる。
「東に病気のコドモアレバ
行って看病シテヤリ
西に疲れた母アレバ
行ってソノ稲ノ束ヲ負イ
北にケンカヤソショウアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ」
ぼんやりしている生徒があれば、
「どこがわからないの? 教えるよ」
眠そうな生徒があれば、
「お水でも飲んでおいで」
漢字が嫌いな生徒には、
「書かなくていいから、一緒に読もう。
読めれば書けるから」
夫は、
A君に行き、
「昨日、教えたところだろ。聞いてなかったな。もう一回、説明するから」
B君のノートを覗き、
「途中の計算を省くな。丁寧にやれ」
C君に
「学校の提出物は終わったのか。まだ? 早くやってしまえ」
D君に
「俺がやれっていったところをやっていないな。ここからもう一度」
そして、全員に呼び掛ける。
「わからないままにするな」
しょっちゅう誰かのそばに行って、穴を埋め、緩い地盤を固める。
「微妙」ではない、誤魔化せない、嘘を見抜かれる、こわい、先生になる。
シツコイ、ウルサイトオモワレ
ヨロコバレモセズ
キミニモシレヌ オヤゴコロ
夫の口癖、
「今日少しでもやれば、明日につながる」
ワカッテクレルマデ
ナンドデモイイ
ソウイウモノニ
ワタシハナリタイ
教室で試験前の生徒の背中を見ながら、
再度言いますが、
ちょっぴり、ほんのちょっぴり、不埒不遜にも
雨にも負けず風にも負けずの気分になります。
試験が終わって、
「先生、あがりましたっ!」
中3の内申点が出て、
「問題ありませんっ!」
そのあなたの声を
聞きたいんです。
玲子