3月29日に中2のK君、30日の今日、小5のMちゃんがそれぞれ、
父親の転勤で塾をあとにしていった。
連日、私の大好きな二人は、礼儀正しく、頭を下げた。
「先生、ありがとうございました」
「いいえ、こちらこそ」
挨拶の後に別れが訪れる。私に一連の行動が浮かぶ。
教室のドアのノブに手をかける。2,3歩で教室を出ると、
ドアは閉まる。
そしたら、もう、ここには来ないのね。
挨拶を聞いていて、うるんでくる。
人は生きている間に何人と会えるのだろうか?
何人と言葉を交わして、笑うのだろうか。
友達100人なんていないし、家族以外に
出会えることは、それほど多くない。
たかが知れている数の中で、泣いたり、笑ったりするのなら
誰とでも楽しく過ごしたいです。
K君、Mちゃん、4月からの新しいご縁の土地で、
素敵な大人になって!涙がこぼれないように、目を閉じて願う。
昨日も今日もあっという間に教室のドアは閉まった。
ご縁があって会えたらいいな。塾の階段を降りていく足音にあわせて、
もう一度、願う。「いつか、また」
今北玲子