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夏期講習の後半は
毎日、読み書き150問近い漢字と15分以内で書く200字の作文。

今日は・・
2008年・鳥取県出題の条件作文。

●あなたがいつまでも心に残しておきたいと思う「ふるさとの宝」について。
 残しておきたいものを一つ取り上げて、なぜ、残したいか理由を入れて、
 書きなさい。

子どもたちは15分間、心の中をひっくり返し、言葉を探す。
鉛筆を持つと浮かんでくるものがある。
それを読ませてもらうのがとても好きです。

さて、ふるさとの宝は・・・「学校」「公園」「森林」・・・なるほど。
ユニークだったのは
「ガジャラモジャラの井戸みたいなもの」
山形にあるそうで、風が通るとガジャラモジャラと聞こえるという。
お父さんに教えてもらったその井戸は父との思い出につながるんだろうな。
私も会ってみたい。ガジャラモジャラ・・
風を食べる優しい怪獣が住んでいるかもしれない・・・

その中に嬉しくなる作文がありまして、

「ふるさとの宝」
(私が残したいと思うものは、通い始めて5年になる塾だ。
 この塾は夫婦でやっていて、私の家のすぐ近くにある。ここで過ごした5年間、
 私は多くのものを学んだ。大切なのは勉強だけではない。
 礼儀や思いやる心も同じくらい大切だ。
 そんな温かい塾が私は好きだ。
 だからこの塾はかけがえのない宝としていつまでも残しておきたいと、
 私は思う。)

毎回、ひとりひとりにコメントを入れる。Mちゃんにも書いた。
(恐れ入ります。塾を始めて、こんな文章を作文でいただいたのは初めてです。
 たいした夫婦でもないのにもったいなく、ありがたいです。
 Mちゃんのあたたかい心が私の宝物です)


風は
空の向こうから吹いてくるだけではないのですね。
原稿用紙からも風は吹いてくる。

思いがけない夏の贈り物を
早速夫に見せた。
じっと読んでいた。
「ほうーっ」笑顔になった。

夏期講習・
朝から晩まで喋りっぱなしの、
あれもこれも言っておきたい、熱風の夫の
くたくたの疲れを忘れる、
200字の原稿用紙から
いい風が吹いてきた。

気持ちに
身体の内側に渡る、いい風・・

私は何度も
風を読んだ。


Mちゃん、
言葉の嬉しさはあなたの良さです。
あなたの良さはあなた自身のものです。

何もかもあなたの良さ・・・だけど

隣の教室でありがとうございますって言ったら、
「いいえ、そんな」私に笑った顔。
忘れないね。

2008・夏の午後・15分・200字の
あなたにありがとうを忘れないね。

今北玲子

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2008年8月 2日 18:49に投稿されたエントリーのページです。

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