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2010年10月 アーカイブ

2010年10月26日

今日は秋というか、冬というか寒いですね。

ずいぶんとご無沙汰してしまいました。

10月15日には

恒例の小袁治師匠の落語会がありまして、

師匠の芸は

笑いに品があり、ゆったり心地よく満喫の高座でした。

人を楽しませるなんて素敵なお仕事ですが、

誰でもできるものではないですね。年に一度のこの会を楽しみにしている方が

大勢、秋の夜長を楽しんで、私も楽しませてもらいました。

こちらが楽しませてもらったのに

師匠は昨年同様、

高速の幕がおりはじめると、

会場の隅々見ながら、おひとりおひとりに、

ありがとございました、ありがとございました、

声は聞こえないけれどその口元が動いて

つぶやいているのがわかります。

そのお姿に毎年感動してしまいます。

10月23日には

漢検。在塾生全員で挑戦。

ひときわうれしかったのが、午前の高校生クラスのYちゃん。

小学生からの不登校で現在十代後半だが、低学年の漢字を復習している。

10級(小1)からはじめて、今回は6級(小学5年程度)を受検した。

当初は1年の漢字も不安そうだったのに、みるみる漢字を覚えていきました。

試験間近になって

過去問をしてみると、なんと200満点中、192点。

涙が出てきた。「先生、そんなに感動すること?」

本人はいたって冷静。感動します。

ひとりで黙々と

丁寧に書いたその努力にやはり感動します。

季節は秋から冬に向かっているようで、

晴れた日の高い青い空にだって感動しますもん。

まして、あなたの努力は青空みたいに美しくて感動します。

 

小袁治師匠の精進された芸に、

漢検のYちゃんだけでなく、小学生の「どきどきするっ、先生」

私を見上げる緊張の顔に、

「本日ただいま、あなたの姿」

青山くんどう僧正の言葉を思い出します。

師匠も、

必死で鉛筆を走らせる子供たちも

本日ただいま、あなたの姿は美しい、と何度も思う此の頃でした。

 

「本日ただいま、私の姿」はどうだろうか。

冷えたビールをぐいぐいっと

今日も一日ありがと。

でも心の片隅で

これじゃあいけないな、これでもいいのかな?

しっかと

これでいいという姿が決まりませんが、

本日ただいまあなたの姿。

胸に浮かべると、少し背すじが伸びる気がするんです。

今北玲子

 

 

 

 

 

 

 

2010年10月30日

ちょっと言いたくなりまして

3期制の時は定期試験は5回、2期制になってからは4回に減った。

中3は11月の定期試験でほぼ内申書は出てしまうので

実質3回の評定で決まることになる。

受験生の中3のほとんどは数少ない試験で自分の評価が決まる危機感はないに等しい。

主人も私も10月から12月、正念場だと思っている。

内申点を上げる絶好のチャンス。特に11月、この1ヶ月をおいて他にない。

12月には志望校が決められ、年が明ければ私立入試が始まる。

それと私立の結果が出てから最後の1ヶ月、ここも大事です。

波に乗れば50点や

100点(伝説の君、K君は100点伸ばしました!)は伸びる。

 

しかし、内申書というものがある。定期試験では1点でも2点でも上げたい。

この11月が勝負といっていい。

高校に行ってから目覚め、猛烈に勉強する人もいる。

志望高合格がすべてではないが、

できれば発表の笑顔を見たいのが人情である。

また、15才のこの時期の必死の勉強は大人になってからの常識の基にもなる。

詰め込むことは悪くはない。本人にとっても目指す高校に向けて

自分を高めるのはいずれ自信にもなる。

高校入試が残念な結果に終わってもその勉強量は

次に必ずつながっていく。30年来の卒業生が皆そうだ。

(数日前に教室に来た高1のM君は公立は残念で私立に行ったが、

学年で2番をとりました、国立大を目指します、とうれしそうに

報告していったと夫から聞いた)

 

1分さえ惜しんで勉強したことは目に見えない財産である。

現実にも11月から入試までこの数ヶ月はもっとも伸びる時期でもある。

やっきとならざるをえない。

塾は当然土日もなにもない。あと20点上がれば、50点上がれば、

志望校が見える。充分に点数を取っている生徒でも安心はできない。

さらに万全を期す必要がある。

勉強すれば成績は上がる、この単純なことは

誰にだってわかるこの時期です。

模擬試験もあと数日に迫っています。

「土日は朝から晩まで補講するぞ。11月の模擬試験の点数を少しでも上げる。いいな!!

みんなで全員でやるぞ!」

何人か、主人のところにやってきた。

先生、補講に出られません。

なんでだ?

合唱祭の祝勝会があって。

部活のOB戦があって。

 

またか、です。

去年もありました。

 

最近の学校は6月の中総体の「打ち上げ」やら「お疲れさん会」にはじまり、

祝勝会、文化祭のお疲れさん会、体育祭のお疲れさん会、

学校の合唱祭の祝勝会、目白押しです。

これはなんですか?

いつからこんなことがはじまったのですか?

そう言いたくなる。

去年も部活のみんなで打ち上げだから、補講には出られないと・・・

去年は夫婦で言った。

「打ち上げというのは自立した大人が協力して仕事を終えて

労うもので、まだ中学生が、ましてこの大事な時期に、

勉強するから行きません。そう言って断ってもいいと思う」

Aちゃんは夫に勉強する時期だろ?いろいろ言われて泣き出した。

気になって親御さんに電話した。(母親が卒業生で言いやすかったんです)

「子供達で決めたことだからいいかって思って、

みんなが行くって子どもが言うし・・・」

おかしいよね。そう思わない?

「本当はなにそれ?って思っていたの。うちの娘も先生の言っていることがわかったから行かないって言っているし、先生、親もちゃんと聞かないとだめよね」

たいていの親は子どもにみんなが行くからって言われればしぶしぶ承諾するしかない。

でも、なんだかおかしい。

猫も杓子も小学生まで親がかりで

打ち上げ、お疲れさん会、でお食事とは

なんでしょう?(まあ小学生の場合はお楽しみ会で親同士の親睦も

監督へ感謝もあるのだろうと思いますし、私達も12月には定期試験が終わり冬期講習前のささやかな気分転換お楽しみ会をやったりしますからよそ様のことばかり言えませんが)

でもです。15才やそこらでなにを疲れるというのでしょう。

夫や私の世代では理解不能です。

祝勝会というのはあるにはありましたが、高校生でした。

高総体で全国大会の切符を手のした部活の

メンバーだとか、練習と努力で報われた人たちの輝かしいものだと

思っていました。小中では聞いたことはありません。

だいたいですね・・・

中総体も文化祭も体育祭も学校行事のひとつで

区切りにお食事する必要はないと思うんです。

つい夫が聞いた。

学校は知っているのか?

知っていて先生はなにも言わないのか?

担任も祝勝会に出ます。担任がノッテいるから。

はっ!?

私達は学校の許可なく子供達だけで祝勝会の名目をこしらえて

集まって、もしなにかあったらどうするのだろうと心配したが、

中3の一番勉強しなければならないこの時期に

そんなことはやめろ、と言うはずの担任も

一緒になって祝勝会だそうです。

なんだかおかしい。

夫が言った。

「おまえ、おかしいとおもわないのか?それに出られない子、出たくない子ももいるだろ?

学校行事でもないのに、ひとりでもそういう子がいたら

僕はそのことの方が気になる」

言われた本人もかわいそうだ。先生も含めてみんなでやると決めたことに

反論などできようはずがない。私はなんだかその子が気の毒で

去年のようにむきになって言う気力が失せた。

ただ、ただ思ったのは

飲み食いの1時間、2時間を勉強にあてたら

どれだけのことを覚えられるか。ぞっとした。

大人の責任というものはこういうときに発動されるべきだと思うんです。

責任と言ったら大げさなら大人の論理とでも言ってもいい。

打ち上げだとか、お疲れさん会は

大人になってからです。

10年早い。

中3です。勉強しなさいっ!

今北玲子

 

 

 

 

 

 

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