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た・ま・ご

たまごを割った。

あら、黄身が二つ。双子です。

小さなカラに二人で入っていたのね。

割った殻をなでたりして。

 

次の日、夫の昼食のうどんに卵を割った。

あら、また双子ちゃん。

「おれ、たまご二つなんかいらないよ」

「双子ちゃんです」

 

珍しいな、ほんとに、双子のたまごが続くなんて。

たぶん、数年ぶり。

 

それから、毎日割って

驚いた。8個までが双子。

もしかして、このパック、全部双子ちゃんだったりして。

その夜、9個目のたまごを興味津々で見つめた。

あなたもふたご?

 

違った。

大きな黄身がひとり。

人生、予想通りにはいきませんよね。

 

はて10個目、どきどきする。

これが双子なら、

昨夜割った9個目の

「ひとり」のたまごが気の毒。

パックの皆さん、双子ですもん。

パックにひとりだけ、なんてかわいそうにのう。

さぞ、肩身が狭かったろうに。

どこでもどんなときでも

ひとりだけっていうのはかわいそうだ。

 残るはあとひとつ。

双子か、ひとりか。

どっち?

目をつぶって最後の10個目を割りましたです。

 

おお、

堂々のひとり。

いるんですね。

仲間ってやつが。

 

気持ちをわかる奴がひとりはいるのでしょうね。

ひとりになると、もうひとり、きっと、どこからかやってくる。

信じたくなります。

 

今北玲子

 

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2011年2月 4日 20:00に投稿されたエントリーのページです。

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