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4月

4月1日
春期講習も終わり、夫の実家に、卒業生に会いに、
春の旅に出かけました。
鉄道が好きな夫と、鈍行の旅です。
鈍行って、はじめはなんだか、時間ばかりかかってつらいな、って
思ったのですが、
各駅停車のがたんがたんというあの音、
行けども行けども目的地には着かない遅々とした時間の使い方に
恋したのは、
北海道キロロのホテルで働いているA君に会いに行って、
最北端の宗谷岬を回って
稚内から旭川までの約6時間、宗谷本線で鈍行に乗った時のこと。
がたんがたん、
それまでにない心地よさでした。
不思議と何も考えなかった。
考えずにすむのは
車窓だった。
景色が後ろに流れ、また新しい景色がやってくる。
同じ場所はなくて、車窓は刻々と変わる。
気がついたらどこかの駅に停車する。走り過ぎない。ほどよく止まる。

たまにハプニングもある。
鹿が二頭、のんびりと線路にいた。
運転手が笛を吹く、
ピーッ、ピーッ、動かない。
ついに列車が止まる。
迫った列車に驚いて踊るようにぴょんと鹿は線路をおりる。
緩いスピードだから、冬枯れの林を走るキタキツネも見えた。
強引に連れていくでもなく、身を任せるに優しい、
鈍行が好きになりまして、
以来、青春18きっぷで九州も、北海道も何のその。
或る時は、
新幹線ならあっという間の富士山が、どこまでいっても
大きな富士山が見えるって、
贅沢でした。
夫婦って似るのかもしれません。
新幹線の高速リッチもいいのですが、
夫の実家の大津に、北仙台5時48分、始発に乗って、京都着夜の8時、
14時間も苦にはならなくなりました。

今回もそんなわけで、
まずは東京まで、鈍行で、行きました。

4月2日
東京同窓会。
恒例になりました。
以前は夫一人で出かけた同窓会ですが、
最近は二人で行きます。
東京に飲みに行く気分です。

いろいろな世代の卒舎生で、
私たちも含めて参加者15名。そこに小袁治師匠も加わっていただき、
楽しい夜でした。師匠、お忙しいのにありがとうございました。
既に1期生から、30数年、
しかも東京で、この大都会で北剏舎の卒業生と
酒を酌み交わすなんて、
素敵でした。

自己紹介で、
今の自分のそれぞれの仕事を語ってくれました。
出版、放送、音楽、いろいろな職種の話に、
大変だな、頑張ってるんだな、すごいな、
感心することばかり、
15歳の面影はあって、
今北先生、と夫を呼ぶ声は変わりない。

先生と呼ばれるほど、何か役に立ったのかと考えると
思い当たることは何ひとつない。
でも先生と呼んでくれる。
何もしなくとも、先生は先生なのだから、
仕方ないか、と思うのですが、
先生と呼んでくれるあなたたちがすごいんだなって思います。
1期生から見れば、30数年もよくつきあってくれたな、と感謝し、
12名の顔を眺めました。

M君、開塾の恩人、塾を始めたらいいですよ、応援してくれたのはあなたのお母さんでした。
U君、必ず来てくれる。経済の本を何冊も出して学生や社会人に教えている。すごいです。
K君、飲み友達、であり、あなたとは心の奥に通じるなにかあります。毎週のあなたの贈り物に、喜ぶ中学生はいっぱいです。
Mちゃん、15歳の時はおっとりとした2期生のマドンナ。
今は、気楽に話せる、うんと歳の離れた妹のようです。
S君、東京に家を建てるなんて偉いです。周囲を明るくしてくれるからあなたがいると楽しいんです。
Y君、夫が脳梗塞で入院していたとき、中3で、入試発表の日、連絡がこない。ベッドで待っている夫の気持ちを考えると、トイレにも行けず、電話とにらめっこ。合格と知った時の大喜びの一瞬が、何年経ってもあなたの顔を見ると思いだす。
S君、自転車で走破した実績、大手の企業の就職はすごいです。
Eちゃん、人懐っこさは15歳と同じで、今もかわいいです。いつもがんばる、
いつだってがんばっているEちゃん。無理しないでね。
M君、皆に乞われて仕事のアナウンスをしてくれた。かっこよかった。
H君、お父さんにはお世話になりました。中3のあの頃は落ち着いた少年で、それは変わっていない。あなたとずっと会いたかった。会えてよかった。
U君、気が合いますよね。鉄道が好きなあなたとは楽しかった。同窓会の後、氷見線、乗りましたよ。
年、会う時まで、氷見線に乗れたら乗ってね。報告会しよっ。
遅れて、Ⅰ君が来た。ヤッホッ。6年間も塾のアシスタントをしてれ、東京に就職。どの生徒にもわかりやすく丁寧で、あなたがいないのは本当に痛手です。元気そうで、何より。

どの顔を見ても
皆、立派になって、家族を支え、
社会を支える企業で活躍の卒業生ばかりでした。

啄木の歌を思いだした。
「友がみな
 我よりえらく見ゆる日
花を買い来て 妻としたしむ」

啄木のように友を羨む気持ではなく、
立派になって頑張っている姿が頼もしく、思えた。

「卒業生がみな
我よりえらく見ゆる日、
鈍行に乗りて、夫としたしむ」

明日は、Mちゃんに会いに、広島へ。

4月3日
広島在住の在塾生、中3のMちゃん。
今もまだ塾生だと思うと、それだけでうれしくなる。
思うように、プリントを送ったりできないのが心苦しいけれど、
4カ月ぶりに会えるのはうれしい。

ご両親とMちゃんが広島の改札口で待っていてくれた。
笑顔のMちゃんと、
ご両親の歓待の笑顔、私たちに思いを寄せていただくのは
勿体ないほどで、
でも、その笑顔は懐かしく、
このご縁を大切にしたいと思う。
話の様子では新しい環境にも
慣れたようで、
Mちゃんなら大丈夫と思っていたけれど、お友達もできたようで、
意中の高校もあるようだ。
去年の、夢中になって数学の問題を解く姿が浮かんできた。
受験に役に立つようなこと、送ります。

人の縁は、
続けて行きたいと思っても、相手が去って行くこともある。
大切にしたい。

4月4日
下関で毎年、春の旅程に入っているSちゃんと4人の息子たちと
会った。
1年ぶり、それぞれ大きくなった。武将の名を持つ4人は
なんとも心優しい。
Sちゃんも中学生の頃から本当に優しい娘だった。
ひとりひとりをちゃんと見て、褒めて、本当に上手に子育てをしている。
息子たちもお母さん大好きで、母を守る4人のナイトのようでした。
あなたの暮らし方に間違いはないと思う。
また、来年、4人の息子たちに会わせてね。


4月の新学期
新しい塾生が加わり、教室にも新しい風が入る。

かわいい小学3年、4年も入って来ました。
はじめは緊張でしたが、そこは小学生で、すぐに慣れる。
K君、ドアを開けるなり、
「おなかがすいた!」
(こんにちは、が先でしょ。)
こんにちはー、
(クッキーでいい?)
「いいよ」

真面目に勉強します。
K君が鉛筆を走らせる手を止め、プリントを見つめている。
どうしたの?
「プリントに北剏舎って書いてある」
(小学生のプリントには下に小さく北剏舎って入れている)
「ホクプリだね。」

こちらも小学生のT君、
内緒話のように、
「あのね、僕のお母さん、僕のこと好きなんだって」
(お母さんはT君のことは大好きです。あたしもすきだよ)
「ほんと? カレーより?」
(???)
「カレーライスをぼくんちは、カレーって言うの」
(そうか。はい、カレーより好きです)
「なるほど」

T君は間違っているところを教えると
「なるほど」と言う。
近頃、間違っている箇所を教えると、
「なんだ、そっちか」と
つぶやく生徒が多いような気がする。
迷っていただけで、
わかっていました、ということかもしれないが、
T君の「なるほど」は謙虚で気持がいい。

新中1はまぶしい。
最近の英語の定期テストはアルフアベットではすまない。
曜日、月は要チェックです。
全問正解するまで、曜日、月、のテストをこれでもかとする。

全員が、真剣につづりを練習している。
間違えば、アアーッ、頭を抱えて、なんでこれをまちがうか!
叫ぶ生徒もいたりして、
「再テストさせて下さい」
「もう書けます。お願いします」
やる気満々です。

塾に来たらやる気が出るんです。
少しでも思ってもらえますように、
毎年、4月に思います。

玲子

















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2016年5月13日 22:37に投稿されたエントリーのページです。

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