新年会
今年のいの一番はY君。
「そこで今北先生と会って、一緒に来ました。玲子先生、上がっていいですか、って
上がりますけど。」
気の置けない、おもしろいY君。
自分の家のように上がってがってくれるって
うれしいものです。
そして
なにせ、夫と私の間では
「赤い糸の君」。
以前にブログで書いた事があるけれど、
Y君が東京の大学に決まって、名残惜しく別れを言った数日後、
東京で
あの広い東京で、待ち合わせ場所だって迷うような東京で、
夫は或る駅の階段を降りていて、
Y君はその階段をのぼってきて、
階段の途中でばったり会った。。
そんな奇偶があるものだろうかと、
以来、Y君はわたしたちの「赤い糸の君」なのです。
今夜もそのY君、「北仙台あたりで夫とばったり」だそうで、
やはり、赤い糸です。
座って、Y君が近況を話し始めた。
聞いてみると、
海外でもそんなことがあったそうで、
シンガポールで、
ある集会で、
ホクソウシャの、先輩のH子ちゃんとばったり。
卒業生同士が海外で遭うとは、
赤い糸の君は、
今や、「ホクソウシャの赤い糸」では思います。
奥さんを実家に残して来ていると言うので、
早々に帰った。
「赤い糸の君よね」
帰り間際に玄関でつい、言ってしまいました。
「玲子先生、言わないでください。泣いてしまうじゃないですか」
働き盛りの男になって、娘を可愛がり、
いい男になりました。
でも上京してまもない時、喜びと期待と少しばかりの心細さ、
当時を思い出すと、
夫とばったり出会ったことがよほどうれしかったのだろう。
何十年経っても泣いてしまう、と思っていてくれるなんて、
いつまでも忘れない、あなたの心のあたたかさよ、です。
ドアの向こうに頭を下げて行ったY君に
私も閉まったドアに頭を下げた。
1期生のN君、O君、Y君、毎年欠かさず来てくれる。
その後、S君、M君、I君、
私たちの教え子というより、これまで塾を通して一緒に歩いて来た、
同士という感じの人たちと
楽しい楽しい新年会でした。
玲子