前期試験
2月8日
1月31日に行われた前期試験の発表。
内申点をクリアした者とはいえ、
そしてこれが駄目でも後期試験があるとはいえ、
受験すれば結果が気になる。
昨日
「ああ、明日か......」
誰かのため息が聞こえてきた。
発表当日、
私たちも落ち着かない。午後4時まで長いこと。
受験高の発表にはその高校に通っている卒業生に
見てくれるように頼んである。
午後4時40秒、
弟が受験した卒業生の姉から、「合格」の朗報。
連絡してくれた。
4時1分、卒業生から「ありました」との合格。
その後も「合格」が続いた。
うれしい。
今年は4人受けている。
3人までが合格である。
もう一人はまだだ。
卒業生が通っていなくて、本人からの連絡を待つしかない。
4時半を回っても連絡がない。
だめだったか。合格すればすぐに連絡するはずだ。
夫も私も
暗い気持ちになってきた。
5時過ぎ、
夫の携帯が鳴った。
「先生、だめでした」
そんな声が聞こえてきそうで、夫が携帯を持った時、
隣の部屋にいたが、駆け寄ることはできなかった。
発表から1時間以上も過ぎている。
律義に合否を連絡してきただけかもしれない。
諦めが大きくなった。
「おめでとう」
夫の声がした。
気持が途端に青空に変わった。
朗報の携帯に走った。
「玲子に変わるから」
私も携帯を耳に当てた。
本人の声を聞けば、うれしさも更に伝わってくる。
「玲子先生、受かりました!」(喜びの大きな声はいいものだ。)
「よかったね」
「はい」
この瞬間が一番うれしい。
「先生、これからもよろしくおねがいします」
「最後までみんなと一緒に勉強してくれるのね」
「はい」
気持のいい声が返ってきた。
夫が
「自分が受かればそれでいいのか。
一緒にやってきた仲間だろ。最後までつきあってくれよ」
常々言っていることが、伝わっているんだなあ。
気持があたたかくなった。
そして、6時、
中3の授業に合格した人もいつも通りに来て、
全員そろった。
この日は、家族で祝いたかったかもしれないのに、
そう思うと、
申し訳ないような、有難いような、
授業はいつも通りで、
でも、終わり際に夫が中3に向かって、
「前期全員合格。おめでとう!4人、立って」
笑顔で立った4人に、おめでとう、おめでとう、
祝いの声と共に
教室から拍手が起きた。
「こうやって合格した全員が来てくれた。
素晴らしい塾だ。そう思わないか。
もし、合格した4人がもう受かったからいいや、
来なかったら、寂しいよな。
来てくれてありがとう」
眼がうるんでいた、声もつまっている。
「鬼の目にも涙か」
夫の照れた言葉に、
中3の皆が、くすくす笑いながら、
赤い目の生徒が何人もいた。
仙台高、S君!
富谷高、Mちゃん!
宮城野高、Rちゃん。
七倍の倍率をすごいです。仙台一高、Mちゃん!
おめでとう。
あなたたちの努力と実力です。
玲子