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10月12日は市民会館へ
卒業生カップルがいる。それはそれは感動の二人。
それぞれ、違う時期に入塾し、アシスタントをしてくれていた。
二人に恋は芽生え、一組の夫婦になった。
この塾で知り合い、人生を共にする夫婦になるなんて
縁の感動は天井知らずである。
折りにふれて挨拶に二人で来ていたが、
仕事の関係で仙台を離れてからは8月の盆休みに必ず来てくれる。
ひとり生まれ、二人生まれ、今年は4人家族。
来年は3人目におめもじ叶うようだ。
8歳と3歳の二人の可愛い娘は、孫にも似た感覚だが、
卒業生の母親Sちゃんの粋な計らいで「玲子さん」と教えている。
毎年、私は小さな子どもの手を引いて、楽しい夜の買い物に行く。
「何でも好きなものをどうぞ」
近くのコンビやスーパーで目を輝かせて「玲子さん、これいい?」
「どうそ」今年はもうひとり3歳も「玲子さんいい?」
ビニール袋にたいした金額でもないのに、
二人とも喜んで、帰り足のつないだ手はありがとうって握り返す感触を感じるし、
「玲子さん」見上げる顔は
二人の卒業生の当時の面影を見る。
「私、幸せ。また、来てね」
「うん、また来るよ」
Kちゃん家族と共に同級生も4人来て、夜は中学生に皆戻った。
久しぶりに飲みたかったM君も寄ってくれた。
「まるで中学生だな」
笑いながら言ったM君の一言がいい。
「そう、私も主人も同じ。あの時の気持ち」
よかったらまた来て。飲める中学生の気分で。
私はこの家族の訪問を「里帰り」と思っている。
来年は3番目をおんぶしようかな。
今北玲子