小袁治師匠は毎日ブログ更新、本当にすごいと思います。
私は1ヶ月以上もご無沙汰。
七月になって夏期講習の準備、そして中旬夏期講習本番、キャンプ、気がつくと八月もなかば、のんきに平気でおりまして。夫にはそれじゃだめだよ!再三言われて、はい。
私も夫も元気にしています。朝から晩まで授業をして、真面目に生きております。
八月六日から二泊三日の塾キャンプ。二口キャンプ場に行ってきました。
出発は曇り。週間天気予報ではキャンプ中は雨。雨はいつくるか。心配事を抱えた気分。
一日目はかろうじて晴れ、二日目はぐずぐずの降ったり降らなかったり、夜になって本降り、
悪天候だが、皆、いたって元気。
アシスタントのS君が初日、夫につぶやいた。
『先生、中学生って元気ですよね』
そう、毎年思う。
疲れたー・・・・・・つぶやく子どもはいない。雨でも嵐でも元気!
二口キャンプ場に炊事棟、2棟ある。本部まがいに借りた大部屋のバンガローに必要荷物、置いてあるから、
食事準備は炊事棟とバンガロー往復。用事が増える。
「〇〇ちゃーん、ちょっとー」呼ばれた子はたいてい走ってくる。
目測で20,30メートル、木の根がごつごつ出ている走りにくい斜面を駆けてくる。
急ぐことはないのに走ってくる。
宇野千代の童話・・・・・ドラマ化した『生きて行く私』のワンシーン。
「私には忘れられない話があるの」
(さそりがね。海でおぼれてね、亀が通りかかったの。
さそりは亀に「乗せて!」
おぼれているからね。どうしても乗せてほしいのね。
亀はいやだって、言うの。
さそりは「お願いだから乗せて!」
亀は「あなたは乗せたら私を刺すでしょ。いやです」
さそりは「絶対、刺さないから助けて!」
「絶対刺さない?」亀が念を押すと
「約束するよ。」
亀は心配でまた念を押す。「ほんとう?」
「ほんとうだよ」さそりが言う。
亀は不安だったが、さそりの言葉を信じた。
さそりは亀の甲羅に乗った。
ブスッ、
亀は「あなたは、あんなに刺さないって言ったのに」
さそりは申し訳なさそうに
「ごめん、ごめんね。私は刺さずにはいられないの」
この話は大好きです。
走らずにはいられない。子どもは走らずにはいられないのかもしれない。
せずにはいられない、あるのよね。
亀はかわいそうだが「刺さずにはいられない」物騒な,もののたとえだが、人には
歌わずにはいられない、書かずにはいられない、しゃべらずにはいられない、泳がずにはいられない・・・・・・
夏期講習や冬期講習で中三にこの話を好んでよくする。せずにはいられない、こと、あると思いますよ。なにかねむっているかもしれないですよ。
炊事棟から「玲子せんせー」
「はーい」
どれ、私も走ってみるか。
風を感じる。いいね・・・・
走らずにはいられない、まだ残っていました。ありました。
27期生のY君、あなたはとびきりの速さでタイムと勝負して
フイールドを駆け抜けたのよね。忘れないよ、素晴らしかった。
あなたは走らずにはいられなかったのよね。元気にしていますか?
勉強頑張って下さいね。あなたの朗報待っています。
食前訓を、毎食唱和するように、夫がキャンプのしおりに印刷した。
「食物(しょくもつ)はみな、
人のいのちのために、
天地の神の造り与えたまうものぞ。
何を飲むにも食べるにも、
ありがたくいただく心を忘れなよ」
毎年、にんじん嫌い、トマトいや、残したり、友達に食べてもらう子どもたちはいるのに、
今年は不思議!きれいに食べている。残す子どももいなかった。
「何も飲むにも食べるにもありがたくいただく心」
身体に届くのですね。
唱和の中、これを教えてくれた母を夫は偲んでいただろうと思う。優しい母を思い出し、
子どもの頃を思い出し、母の祈りを塾生にも伝えたかったのだろうと思う。
食後訓もある。
「体(たい)の丈夫を願え。
体を作れ。
何事も体がもとなり」
義母は三月ともなると受験生の名簿を送ってほしいと言い、
ひとりひとりの名を呼んで「お蔭をいただきますように」祈ってくれた。
夫の母は贅沢を慎み、家族の達者を祈り、昔気質の母の中の母。
そして優しい優しい神様みたいな人だった。
八月九日
宮城教育大、224(夫が宮城教育大の講師の時の教え子・教室が224だった)恒例のお仲間が教室にやってきた。一年ぶり。
Aちゃん、Uちゃん、Mちゃん、Tちゃん、Mちゃん、会えるのがいい。
話を聞いてみればそれぞれ、教師という職業に向き合っている。
父兄のクレーム真剣に考え、子どもたちに体当たりでぶつかっている。
このうち何人かは『漢字の感じ』の講演にも来てくれて熱心に耳を傾けていた。
教師になって四年たつ。これからですよね。
一段と美しくなった五人は結婚したり、もうすぐ結婚だったり、花のような五人が
『プレゼント、今北さんに』
赤のチャンチャンコ・紙袋から出てきた。メッセージが身ごろにいっぱい。
我家で誰も贈らなかったんです。
夫を見れば五十代にも見れる若さ。必要ないかも・・・・・・なんてね。
贈られて夫が着てみれば、赤がよく似合う。写メールパチパチ、同級生に発信しているようだ。
いい夜。
いい仲間。来年も待ってるから。
八月十四日
チェリーマンこと、八期生のMちゃんライブ。卒業生七人に我家五人、大人十二人にそのジュニア五人、去年とは違ってj小学生の子どもたちが多い。
よく来てくれたなって思う。
今年三月に手術乗り切ったSちゃん「夏に会おうね」
約束通り、塾に里帰り。美しい三人の母に会えた。
「元気なの?」「元気です、先生」
いい言葉です。元気ですって言葉。三月にはいはいしていた三人目が立っている。
花の一期生のM君、N君、いつもありがと!八期生のダブルK君、(あなたたちがいないとだめです)Mちゃん(一人で子育ては大変だろうけど、Aちゃんはいい子に育ってる・大丈夫)、今年は司会がいる。K君です。落ち着いてユーモアもあってしゃべるのがうまい!そして
主演のM君は
今年は趣向凝らしてピアノから沖縄の三線。オオーッ、着流しで登場です。
汗だくの演奏。三線に深みが出て上手。声もいい。
アシスタントの頃M君がよく歌った「とんぼ」好きです。
練習したのだろうな、いい音色。
生の三線は情緒がありました。
「みんな、聞けよー!K君からのメッセージ!」夫が大事そうに手紙を取り出した。
三線のM君が太鼓で合いの手入れる。
「今日、お集まりの皆様」トントン
「ビールをキンキンに冷やして・・・・・・・いいだろ?この文章」トントン
欠席するからと早々とビールと手紙が届いていたのでした。それを夫が紹介。
手紙はすすみまして・・・・
「ここだ、いいか、ここだ、聞いてるか?行くぞ!」
「ホクソウシャは・・・・・・・」トントン
「ホクソウシャは」トントン
「永遠であります。・・・・・」トントントント-ン
「泣かせるよなあ。聞いたか、おい」
拍手でキンキンのビールいただきました。M君。
夫は
M君のためにキャンプ用のカンテラでライトアップしました。
224からもらった赤いちゃんちゃんこを着て、私の婦人用の扇子を持って
小袁治師匠専用の紫の座布団に座り、M君の前座もしました。話す内容を忘れないように
天井近くにカンペ、張ってありました。盛り上げ能力、才能あるんですね、感服。
Mちゃんの三線に合わせて
タオルを姉さん頭にして踊りも踊りました。子どもたちに大うけ。
よくやります、よくやりました、まだまだほんとに若い。
十一時、お開き。
忘れないだろな、夜更かし。忘れないだろな、大人に交じった夜。
機会があってこそ、恵まれた夜だが、
卒業生の子どもたちが横にいて飲むってよろしゅうございます。
今夜欠席のキンキンビールのM君、もう一人の忙しくて来れなかったM君、さびしかったけど、また会おうね。恐縮至極ですが、永遠の北剏舎で。
今北玲子