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小枝えんぴつを作ろう

6月5日

福島の会津坂下に元気で愉快なおかしな?いえおもしろい人がいます。

塾をしている菅敬浩さんという人。

 

菅さんは陶芸家でもあり、カメラマンでもあり、最近は

廃校を利用していろんなことをしている。

多彩な芸術家でもあります。

小枝えんぴつもそのひとつ。

 

声が大きく、博学で会った人を笑いに引き込んでしまう。

こんな大人に会ってください。逢わせたい。

それが「小枝えんぴつを作ろう」のきっかけでした。

 私は菅さんと会うのが大好き。気がつくといつも笑ってしまう。

笑わされる。今日も会うなり、

「玲子さん、仙台はあったかいと思って、アロハで来ちゃた。アハハ」

 「寒くないですか?」

「寒いです」

笑っちゃいけないと思いながら、

教室に暖房をいれてさしあげました。

 

さて、小枝でえんぴつをどうやって作るか?

やめておきましょ。

菅さんがどうして小枝えんぴつを作るようなったとか。

小枝を見せながら、

「これはなんの木でしょうか?」

クイズがあったり、

そんなこんながいいんです。

塾の小学生ふたり、このクイズに全問正解でした。

すごい!

うめ、かき、いちょう、りんご、さくら、5本の小枝を

すべて当てました。

ご褒美がユニーク!

これもやめておきましょ。

ばらしたら菅さんに悪いですもんね。

 

小刀を小学生や中学生に持たせるのは

はらはらでした。

開塾当時から何年もえんぴつは自分で削るように

していましたが、とうとう、えんぴつ削りにお世話になることに

したのは、時代でもありました。

ですから、子供たちに

怪我をさせないように、

大汗。

幸い、中学生がひとりだけで、それも浅い切り傷程度で

ほっとしました。

もう一人、

「切ったよ」

夫です。

子供たちを気にするあまり、手元が狂ったようでした。

夫でよござんした!

 

次の日は家族ネットワークでまた、小枝えんぴつ。

こちらは大人で心配はしませんでしたが、

みな、楽しそう。夫婦えんぴつや小枝に飾りをつけたり、

ものを作るというのは愉快なものです。

それに 楽しい人が講師だと楽しくなることってあります。

 

会もなかば頃に、菅さんが、

「高校の先生が簡単な『学』になったからだめになったんだ。

そう言ったんですね。なにを言ってるんだろうと思ってたんです。

最近、漢字の意味を知って30年ぶりにその先生が言ったことが

わかった。

字源では両方の手をこうしっかりにぎってその下で子どもを守る。

やっとその先生の言っていることがわかった。

今は難しい字をやめて簡単になったからだめになったんだ、

(教育の)意味がわかんなくなってしまった。

その先生はいろんなことを勉強してたんですね。だから言えたんですね。

・・・中略・・・

どこの高校に何人入ったとか、そういうことじゃなくて

教えるってことは、教えるその人間が

真剣にまなんでいかなきゃなんないと思うんです」

(たぶん、こんな話でした)

 

菅さんは

ときには小枝えんぴつだったり、

陶芸だったり、真剣にやっているから

まなぶって楽しいぞって

笑いもうまれる。(ユーモアは天性かもしれないですが・・・)

 

次の週、小学生の授業のとき、

 「先生、小枝えんぴつを授業で使ってもいい?」

「いいよ」

「やめた、もったいない!」

出したえんぴつを筆箱にそっとしまった。

 自分で作ったものを使うも使わないのも自由。

でも、作ったときの気持ちは残る。

 だから、小枝えんぴつを作るのはいいのだろうと思う

市販の文房具ではない。

小枝を見つめて、これはうめの木、これはさくら、

削ってみればかたい木だとか、

やわらかい木だとかを知る。

握ってみてこの太さなら、この細さなら

感触と好みで選んだのだから

当然、もったいない。

それが小枝えんぴつ作りの

うれし楽し、の本当の秘伝?

秘密だろうと思う。

REIKO

 

 

 

 

 

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2010年6月 8日 19:54に投稿されたエントリーのページです。

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