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いい本です。

6月1日

午後、S君がやってきた。

「午前で診療が終わったので、先生にお持ちしました」

リュックからから本を取り出した。

本を書いたのだ。すごいです!夫と感心して、それにわざわざ、

届けに来るなんて、感激していただきました。

「今度、会があるから何冊か持ってきてほしい」と夫が言いましたが、

忙しいのに大変だと思い、

「近くに行く用事があるから、私が取りに行くから」

 すると、まもなくして

S君は本を届けにやってきました。

何度も往復させて申し訳ない気分でした。 

 

本を開くと

「はじめに」・・・

こう書いてありました。

(私は36年間、重度の花粉症でした。・・・中略・・・

そのため、1年を通じて両方の鼻が通っていたことはほとんどありません。

つねに片方の鼻は詰まっていましたし、

両方完全に詰まることもしょっちゅうでした。

鼻が通るのは、寿司に大量のワサビが入っていたときぐらいです。

アレルギーがひどいときは食事をしても味がしないし、

口で呼吸しながら食べるので、

急いで食べなければなりませんでした。

夜寝ているときも口で呼吸をしています。

すると翌朝、口の中が完全に乾いてしまうのです。

舌が完全に乾いてしまうと、舌を動かすことができません。

舌が動かないと水を飲むことができないのです。指で舌を湿らし、

少し動くようになってからうがいをします。

ずっとこのような生活を送っていましたし、それがわたしの日常でした。

食生活を変えることである程度は改善しましたが、

それでも症状は残っていました。

ところが、そんなひどいアレルギーが、今、わたしから消えています。

こころとからだのゆとりある使い方を学び、実践することで消えていったのです)

 

「なにを実践して、消えたのか?」

引き込まれるように読んでしまいました。

読み終わって思いました。

いい本だなあ!

10代にも20代にも

どの世代にも通じる説得力のあるものでした。

医師なら、語彙だって豊富だし、

難解な文章だっていくらでも書けると思うのですが、

誰にでも読めるような、あたたかい文体で読みやすいものでした。

 

著者を知っているというのは説得力があるものです。

本の実践内容と

S君のその人格は嘘偽りのないものでした。

 

S君の診療を何度も受けました。、他の患者さんに対して

どう接しているか、診療室の前の椅子で待っていると、

聞こえてくるのでわかります。

S君は

いつだって、おおらかで、

医師だから言うべきことは言うが、

親切で、明るく、

患者さんの笑い声が必ずといっていいほど、

聞こえてくる。

患者さんの心配そうな声も、S君と話すうちに

笑い声に変わっていく。

それにS君はよく笑う。

偉そうにもしないし、深刻にもならない。

待合室で待つ大勢の患者さんは

S君に会いたくて来ているのではないか。

そう思えるお医者さんです。

だから、本の内容は

毎日、実践しているし、そう生きている、

嘘偽りない、本だと思いました。

 

8期生のK君も

「大きな人ですね」とS君に会った印象を話していました。

S君の書いた本なら、信用できる。

やさしい文章で、冒頭の、重度の花粉症がなぜ、消えたか。

読めばわかります。

 

読み終わってS君に電話しました。

「とってもいい本だった。中学生にも読ませたいね」

「ありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです」

謙虚で静かな声が返ってきた。

話しているうちになんだか泣けてきた。

それは本の素晴らしさだったかもしれない。

 でも、

もうひとつ、

S君の両手を広げて話す、だれともでそんな風にして話す、

身体も大きいけれど、心も大きい。

大空のような人、だからかもしれません。

 

いい本です。 

「からだのゆとり こころのゆとり」

・・・(あなたをつくっているのはあなたです。こころもからだも・・・・・

 

著者 医師 瀬野幸治    文芸社  ¥1000

 

読んでみたい方はご連絡ください。

レイコ

 

 

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2010年6月 1日 17:50に投稿されたエントリーのページです。

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