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14日

 高3のMちゃんの早稲田大に始まって、

同じ高3のYちゃんが東北大、S君が東京農大、

一浪していたK君が慶應大、その後、近くでばったり会った、

高校生クラスから入塾したF君が新潟大、

朗報が連日続きました。その後、S君の芝浦工大、T君の

会津大、

「先生、受かりました」

みんな、がんばったのね。すごい!すごい!

 

私たちは何もしなかったのに、中学生の時、通った塾に、

報告に来る、それもすごいなって、思います。

 

東京農大合格のS君、久しぶり。

忘れられないことがあんのよね。

なんすか。

「あなたは中3の時、国語がどうやっても60点台で伸びなくて、

こつこつと過去問をやって80点安定になったもんね。

だから、中3で国語が伸び悩んでいる人に

毎年、あなたのことを話させてもらってるの」

そうなんすか。

そうなんす。一度言いたかったの、ありがと。

個人差はあるけど、あなたの国語が伸びた話は使わせてもらってる。

(それを聞いて過去問をこつこつやる生徒は毎年いる、全員ではないけれど

あなたのことを信じて、やってみれば上がる人もいるんだもの)

  

東北大合格のYちゃんは

きれいな字で、中学の時、なんどもなんども同じプリントをしたね。

過信せず、面倒がらず、丁寧に、なぜ間違ったか、考えながら。

学校の先生からも言われたらしい。そして、今北先生がそうしろって、

言ったからって、中2の後半になって飛躍的に点数が伸びた。

丁寧と真面目は「伸びる素」

Yちゃん、そうだったね。これも話しているよ。

 

慶應大に合格したK君は高校時代に、深い勉強をしたようだ。

小林秀雄、坂口安吾、たくさん読んだんだってね。

去年、夫に書いてよこしたあの手紙、あたし、覚えています。

今の社会を、教育を、叫んで、もがいているような文面だった。

社会を取り巻く環境に怒っていた。

なぜだって!

そして、高校の名前ではない。高校の先生ではない。自分なんだ。

そう言っているような気がした。

怒りは学びを深くするんですね。

 今年の夫のチラシの文章です。

「私は思う。必要なのは反復練習の成果を競う定期試験の

点数ではなく、これからの世の中を見据え、

周りの人を、環境を、そして地球規模の行く末を考えられる子を

育てることではないか、その一助になりえないか、

そういう気持ちで塾を開いている」

期待しています、まさにそういう、あなたに。

2012年、3月、

卒業生の皆さんの優しさ、律義さ、ありがと。

うれしかったです、とっても。

 

14日、発表、

なんとも朝から落ち着かない。食欲もない。

えい!

あれだ。

食玩サンプル、を飾るか。

小さなケーキ、弁当、果物、薬品、フアミレス、

50はあろうか、仕切りにひとつひとrつ、気に入ったものを入れる。

卒業生のY君の結婚式の引き出物にもらったミニカーのケースを、

なんかこの日のためにと、とっておいた気もする。

3時までまだ長い。

有難いことに、その最中、

早稲田のMちゃんと東北大に合格したYちゃんが

午前中に、夫の好きな菓子を持参して

教室に遊びに来てくれた。

18歳の麗しき乙女、二人のおしゃべりは楽しい。

気が紛れました。ほんと。ありがと。

Yちゃんは塾のアシスタントしてくれると言う。

やっほ!です。

 

昼食、

夫と向かい合わせ、無言。

何か言えば心配につながる。

話はしないことにする。約束したわけではないけれど、暗黙の了解。

食べ終えて、ごちそうさま、一言言って

夫は無言で塾に行き、

私は家に残り、思った。

今頃、中3の親御さんはいかばかりか。

遅々として進まぬ時計。

 

やっと、3時。

それぞれの在校生に頼んであったから、

数分で合否がわかった。

全員とはいかなかった。

残念......。

胸が痛い。

どこか身体が痛い。

 でも、

思い直す。

あなたの選択に間違いはなかった。

  しかしそうはいっても15歳だもの、泣いているにちがいない。

やはり、泣いて電話が来た。

「お母さんは?」

「いないです」

「ひとり?」

「はい」

嗚咽が聞こえる。こんな時によく、電話をくれました。

なにか言葉を?

あなたは よくやりました。ほんとうに。

それなのに、ごめんなさい。力になれなくて......

 

泣かずに言うのが精一杯で、

不甲斐なくもこれしか言葉が出てこなかった。

 真っ赤な目の夫もそうだった。

 

(あなたは塾に毎日来て、よくやったのに、

蓋を開けてみなければわからない、合否は

思い通りには行かない。

でも、

悔しくて、高校で必死に勉強して医師になった人も、

会計士になった人もいる。

全員受かってほしい、

矛盾はするが、高校がすべてではない)

 

その夜、もう一度電話をした。 

「ねっ!

次に行こう、

喜びはすぐに消える。悔しさは残る。

3年後にさ、

塾の階段を上って、

先生、合格しました!

あたしたちに報告してね。

あなたならできる。きっとできる」

 私の声に

「先生......ありがとございます」

声が少し大きく聞こえた。

 ( いや、3年後でなくともいい。

この先の人生、なにか想いを遂げる日があって、

あなたが15歳のこの日を

そうだったな、笑って見つめる日がきっと来る。

祈っています、願っています。

今はまだ15歳のあなたに)

玲子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2012年3月15日 22:42に投稿されたエントリーのページです。

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