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東京同窓会

いつだって東京に列車が近づくとドキドキする。

住みたいな、と思ったことはある。しかし、気の弱いだらしない私が

大都会できちんと暮らせる訳はない、人格の問題で、東京は無理だな、って思ってきました。

誘惑の多い、日本の首都できちんと暮らせる人は偉いと思う。

今日は東京の大学をきちんと受かり住み、その後社会人としてもきちんと暮らしている人たち、東京の卒業生と会うんです。皆さん、すごいです。

同窓会の場所は新宿。それも夜の新宿ときている。生まれて初めてです。

これまでは夫だけの参加で、私は今日が東京同窓会の初参加。


同窓会の前に、M君と会うことになっている。奥さんとも会うことになっている。

1期生のM君。やっといい人と巡り合った。こんなうれしいことはない。

M君のお母様には開塾にとてもお世話になった。

『私は生きたお金を遣いたい』

開塾の資金にと大枚を差し出された。お気持ちがうれしかった。

お気持ちだけ頂戴することにしたが、忘れられないその息子がM君。

だれかご縁のいい人が現れないかと長年祈っておりました。

最近、まさにいい人が現れたのです。


会えば知的で素敵な奥様で「おめでとう、待った甲斐があったね」

言いながら涙が止まらなかった。

これから先は二人だと思うと安心、すごく安心、

よかった、おめでとう、M君。

 

新宿の会場には、いたいた、懐かしい顔、顔、顔

早稲田、慶應の18歳、19歳、21歳

みんな、溌剌、元気そう。


「玲子先生」

振り向いたら、おお、Cちゃん!

15歳で別れて以来、

30数年ぶり、人生午睡の夢とはよく言ったものです。

あなたとはあれから違う道を歩いていて、「今夜、あたしと主人は新宿にいます」

発信したら 来てくれた。

あの当時のショートカットのまま、変わらない。

隣には弟のH君。姉弟でありがと。


皆、参加者全員、ピンクのプロフイールがかかれている名簿を持っていた。

以下夫の紹介文、( )は私のつぶやき。


29期生M子ちゃん、

見かけによらず 県陸上界では投擲の優秀選手。塾大好き娘。

(塾大好きって言ってくれる。ありがと。あたしもM子ちゃん大好き。夏のアシスタントもよろしくね。待っています)


28期生H君

教育に反発しつつ 独自の勉強方法をうみだす硬骨漢

(大学の合格の報告をしてくれたのに会えなかった。今日会うのが楽しみでした。教育の鬱憤を晴らし、今の日本を変えられるのはあなたたちの世代です。期待しています、あなたならきっと)


27期生O君

しなやかな風貌に一本筋の通った男

(夫があいつはすごいよ、中1のとき言っていました。なにがすごいって流されない。あなたのようになりたい)


27期生A君

4×100で「全中」出場、まさに文武両道

(豊かな学力、伸びるに限界のない学力、教えていて気持ちがよかった。

東大も受かったと思います)


26期生S君

思いっきりの良さが売りの度胸満点の男

(中3のとき、二高受けたら?あなたは、えっ!と言ったものの、そこからは猪突猛進、あなたの力あってこそです。穏やかないい男)


26期生S君

泣く子も黙る東京勤務の警視庁巡査

(正義感がありました。世のため、人のため、それを叶えましたね。あなたの笑顔は誰をも安心させます。天職と、がんばって)


23期生K君

名コンビのK君が欠席でさみしそうだが、いつもの穏やかな笑み

(あなたといるとなんでも頼める。それ取ってK君。いいっすよ。

でも今夜はどうした?

元気がない。なんかあるのね。あとでわかった。なんかあったのね。元気だして。いやになったら仙台に帰ってきなさい。人生はなんとかなる)


19期生R君

参加者中もっとも早く結婚したイケメン男、遠く群馬から参加

(あなたの結婚式の教会、あの草の色、空の色、忘れられない。

あなたは中学の頃から優しかった。きっと二人の子どもたちの父親になっても優しいのだろうな。あなたを伴侶にする女性は極上の幸福、そう思います)


17期生Eちゃん

イベント、公開番組などの企画運営に多忙な毎日

(今夜、会場に着くや、財布忘れた!すぐに戻ります、慌てて店を出て行った。

誰かに貸して下さい、なんて言わない。あなたらしい。

可愛らしくて、きっと職場では大事な存在でこの東京で懸命に生きているのね、無理しないでよ)


6期生M君

「先生と僕とは赤い糸」 学生時代に手紙をくれた

(東京で上京した夫と、とある駅の階段の上りと下りでばったり。以来『先生と僕とは赤い糸』とM君が手紙をくれました。夫から聞いた時はびっくり。

約束もなしに、広い東京で出会うなんてほんとに運命の赤い糸です。

不本意な高校に行くことになり、北仙台駅に着くとまっすぐに塾に来た高1、教室に来るともうなくなった窓際のソフアに座ったね。あの頃、あなたが来ることで安心、来ないと心配しました。高校であなたは勉強したね、東京の大学の合格はうれしかった。ジェットコースターのようなキップのいい奥さんと出会えたのもうれしかった。存分に尻に敷かれなさいまし。あなたの幸福)


4期生H君

塾創生期の家族ぐるみのつきあい(中1で転校)

(別れがたかった。仕方がないことでした。それが今日、あなたに会えるなんて、会えるだけでいい、姉のそばに座る謙虚さがなんだか胸を打ちます)


4期生T君

なんと都区内に自宅を新築

(あの頃、二高一女を狙える生徒が学年に大半いて、その中であなたは寡黙だった。

卒業してからも毎年年賀状は欠かさず、いつかあなたに言いたかったことがあるんです。

あの当時、授業中のあなたの視線、納得すればあなたは私を見た。あなたはワタシノバロメーター、いいか悪いか、私はいつもあなたを見ていました。いつかお礼を言いたい。そう思っていました)


2期生M子ちゃん

言わずと知れた2期生のマドンナ

(素敵です。今も。

お母様が「これからは今北先生、中国です」先見の明がありました。高校生から中国で暮らし、そのご縁で今のご主人と結ばれた。結婚式に夫がよばれて、その後、教室に新婚の夫婦で来てくれた。

あれ以来よね。

大企業の妻となってもちっとも変ってない。

苦労を苦労と思わないのんびりとしたあなたと、20年ぶり?

私にとってもマドンナです)


2期生K君

地震以降、塾に『少年ジャンプ』を贈り続けた生粋の編集人

(書いていますか。書いてください。もはやプロの編集者に言うことではないのだけれど、この人の才能をいまだに想い、信じています。

それにそれに低音の魅力の、いい声。

飲めば楽しく、私の大好きな飲み友達です。

あなたの行く道、どんな道でも旗を振ります。

書いてくださいまし。

あなたを信じてじっと見つめる少女のような純な、かわいらしい奥様Sさん、

勝手に思っていることで迷惑かもしれませんが、私、気が合うんです)


2期生J君

3浪中に新宿の激励会で食べたウナギはうまかった(世話人)

(あなたに会えば元気になる。

あなたはいつだって人を元気にする。今夜もあなたを見ただけで、なんだか力が湧いてくる。

塾の十周年の時でした。往復はがきの返信をわざわざ自宅まで持ってこられた、お母さま。「郵送は失礼だからお持ちしました」

内心、出席者はいるのだろうか、思っていましたから。

「すごくうれしいです。いの一番の出席の返信なんて。ありがとうございます」

お母さまは笑って、「それはよかった、私が一番で、玲子先生にこんなにも喜んでもらえて、うれしいです」豪快に笑って、じんときました。

あなたの幹事の様子を見ていると、お父様もそう、御両親の人を想う気持ちを、感じてしまいます。

あなたは私の青空です。

今夜は大変な幹事、ありがと。J君)


1期生Cちゃん

感性感覚に長けた人多しといえど右に出る者なし

(再会して30年。

15歳で別れたきり。どうしても忘れられないCちゃん。

物おじしない。大人に迎合しない。手ごわい15歳でありました。ずっとずっと、私の心に住む少女)


1期生M君

塾生第1号、模試県1位とはこの人のこと

(あなたの結婚、本当に願っていました。願いは叶うと思っていました。今宵は至福です。

あの女性なら、あなたは幸福になれる。私、一目ぼれです。

この人生、ふたりでいけば楽し、うれし、強し。

ああ、今夜こそ、胸のつかえがとれました)

計17名

 

楽しくて、楽しくて。

 

「玲子先生、母が逝った年にあたしも近づいてきているし、だから今北先生や玲子先生に、今のうちに会っておこうと思って」

30年ぶりのCちゃんがそう言った。

娘時代に母を失うなんてどんなにつらかったろう。

「大丈夫、『私を越えなさい』って、お母さんがそう言っている」

開塾まもなくだったか、何をさして私は不安だったのか。

「この先やっていけるのでしょうか」

Cちゃんのお母さんに尋ねた。

「今北先生はいいよ。大丈夫。今北先生なら大丈夫」

マンションでお茶をいただいた時、お母さんが私に言ってくれました。

美しく思い切りのいい女性で小さなことにはこだわらず、

さっそうとしていたよね。

今度はあたしが、あなたに.......

(あなたはずっとお母さんの、賢くて可愛い可愛い自慢の娘だもの。

お母さんが

今も守っている、あなたなら大丈夫!

 住む場所は違えど、

Cちゃんの健康を

あなたなら大丈夫』

毎日祈り続けて、

Cちゃんのお母さんと一緒に、

私も、

あなたを守るんだから)


帰仙して20年ぶりの2期生のマドンナ、M子ちゃんに用事があって手紙を書いた。

「なにもかも楽しかった。懐かしかった。

また会いたいです。何度でも何度でも」

東京同窓会に参加した全員の皆さんにも、同じ気持ちです。

 

中学生のある時期、北仙台の塾に通った。そうだったとしても、

私たちは大したことはしていない。

塾にあなたたちは通ってきて、

賢い中学生で、よく勉強して、大学に合格し、東京でそれぞれの場所で地位を得、家族を養い、つらくともつらいと言わない頑丈な大人にって立派に暮らしている

それなのに

いつまでたっても

「今北先生」

「玲子先生」

みんなして呼んでくれる。

そうなのですが、

あったかい気持ちになりました。

  

親子は一世、夫婦は二世、師弟は三世。

一度は、先生、生徒という間柄になったのなら、

何度でも会いたくなるのは、

仏縁とも、

この出会いは、浅からぬ縁なのかもしれない。

 

「先生」と言われるたびに

勿体なくもありがたく

大人になったあなたたちと友だちみたいに飲めるなんて

なんて素敵なんでしょ、と思いました。

 

お祭りのような、人があふれる新宿。

編集者のK君と巡査のS君がホテルまで送ってくれた。

心強かった。ありがと。

目に映る通りの夜のネオンは

キラキラと美しく、

東京同窓会は実にいい夜でした。

 

今日は塾の同窓会がある、

さあ、支度して、新宿に行こう。

皆さんの、

そういう気持ちが今もうれしくて。

今北玲子

 

 

 

 

 

 

 

 

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2012年7月27日 19:29に投稿されたエントリーのページです。

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