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親に会うのはいい!①

7月に入ると親との面談をする。
30分程度だが、塾での様子や試験の点数や
親の気持ち、中3は志望校まで、夫と二人で
一生懸命に話す。
時には、親が思っている子どもの姿と違うことがある。
真面目に取組んでいるのに
親は「試験前だというのに何もしない」
しかし、その子は塾でひたすら、勉強して家に帰ると
くたくたになっていた。
家以外のわが子の様子を知るとほっとするのは人情。
私も同じだからわかる。子どものことは心配だし、よそでご迷惑を
かけていやしないかと不安になるし、我が家にも何もしないで
夜はひっくり返って、テレビ三昧、ゲーム三昧の子がいるから
よくわかる。

昨日は穏やかで優しい中1のTちゃんのお母さん。
試験前に学校の先生が「勉強しなかったら泣きを見る」
これは序の口で、様々な良かれと思う教師の恐ろしい励ましに
中1で初めての試験なのに萎縮してしまったという。
その教師がこわくなって「怒られたらどうしよう」びくびくしている。
その上、試験の点数も思うように取れなかった。
お母さんは2時間もかけて気持ちを聞いて、なだめた。
Tちゃんの試験が終わってもすっきりしない顔、結果を報告しに来た時の
申し訳なさそうな顔、面談でいろいろ聞かせてもらってわかった。
その日、Tちゃんの授業があった。面談の内容を親の承諾もなしに
子どもに話していいものか。
Tちゃんはお母さんには話したけど、私たちに自分の気持ちを本当は
知られたくないのではないか。でも・・・
毎日学校で会う大人がこわい!どれほどか。
楽しいわけない。帰ろうとするTちゃんを私はもう呼びとめてしまっていた。
「今日、お母さんから聞いたの。毎日大変ね。ひどい先生だね」
「うん」
「Tちゃんがわかるように、力になるし、あなたの役に立つからね」
少し笑った。
「何もこわくないよ」
「うん」

次の日の夕方、Tちゃんのお母さんと偶然、会った。
「すみません。私、Tちゃんが不憫になって話しかけてしまいました」
「玲子先生に声をかけてもらったって。喜んでました。ありがとうございます」
よかった。
私はTちゃんが不憫で、少しでも元気になってほしかった。

誰だって、脅かされるより、案じてもらう方がいい。子どもだって、大人だって。
Tちゃんはまだ、13歳、自分のことを心配してくれる大人が
いっぱいいて、愛されていい。
よし。
その教師がとことん、Tちゃんを
脅かすというなら、私はそれ以上にとことん、案じて
「あなたはいい子です。大丈夫」言い続ける。
今北玲子

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2007年7月10日 19:37に投稿されたエントリーのページです。

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