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親に会うのはいい⑤

卒業生のYちゃんが保護者となって私達の前に座る。
「先生、喜んで先生の塾に通ってるけど、
うちの子どうですか?」
「素直で真面目で、でも間違って覚えている所が
多いから、復習を片一方でしながらね」
「やっぱりね。もっと早く先生のところに
お願いすればよかった」
「そんなことはない。一生懸命に教えるから」

主人はどこでつまづいているか、塾のテスト答案を
見せた。
「先生はここんとこ、しっかり教えてくれたよね。
そうそう」
表情は中学生の授業をよく覚えていて
答案用紙を見せても話が早い。

「先生、うちの子大変なの。どうやって育てたらいいか、
わからなくなる。どうすればいい?」

「自分で考えろ。悩むんだな」
卒業生だから言える。
「はい、悩みます。ですよね。
先生・あの時のように・うちの子を
叱ってくださいね。びしびし」
「そんなに俺、怒んないよ。」
「塾から帰ってきたうちの子に、今日先生は怒らなかった?
聞くと、怒られなかった。おかしいなあってうちの子に言ったの。
先生、怒んなくなったの?」
大声で笑いながら、何でも言える間柄は楽しいものです。

卒業生が親になっても、年齢が飛んで、ふと
今も進路相談している気分になる。
でも、相談の中身が、大切な子どもになった。
15歳のYちゃん・あなたはいいお母さんになったね・
そしてまた、今度はあなたの大事な子どもの世話をできる、
15才のときのようにあなたの役に立てる、
Yちゃん・私、いい気分です。二人の母と子は慕わしく、愛しい。

師は三世。前世、現世、来世にてご縁があるという。
それなら、現世にても三世・卒業生の三世の子を教えてみたいな。
今北玲子


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2007年7月20日 18:59に投稿されたエントリーのページです。

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