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新年会

「1月2日に新年会をやっているから来いよ」
20年来、夫の言葉が恒例となって卒業生が来てくれる。
出欠取るわけではないので、ある年には客間に入りきれなくて、
台所で、茶の間で、2階のこども部屋で
先輩後輩が我が家に、もやもや集まった年もあった。

近年、夫はそう宣伝しないが
常連は来る・
開塾1期生5人・・
そして今や町内会のY君、その親友T君・いつもの8期生の3人・・
正月2日は所帯を持てば何かと忙しいだろうに
算段して来てくれる。

一通りなべも出し、飲むかな。
満杯になった客間の隅っこに座ると
「玲子先生、ビールですよね」
さっとグラスと缶ビールが2,3本・・
私がすぐに飲み干すのをわかっているM君・

いい夜。
いつまでも先生ではないのに
中学生の頃のように
「今北先生!」「先生!」
夫が嬉しそう・・

15歳だった皆は働き盛りの40代・・・

言いたいことを言って
飲んで
こどものこと、仕事のこと
心のうちを話す。

夫の河北新報のコラムも話題に上る。
1期生の3兄弟の長男Y君が「お前たち!先生のコラムを読んだか!」
「読めよ」頬に涙が伝っている。

毎年、何かと議論にもなる。言いたいことを言ってもらうのは好き。
40前後ともなれば、10代のようにはいかない。ここでは歯に衣も着せぬ
何でも思ったこと言って、いいよ。

「先生の塾をこれからどうしたらいいか」
今夜のテーマになっていた。
少子化で大手の塾乱立の北仙台界隈の事情を心配してくれている。
いろんなことを言い合って
最後に大家さんのK君が言った。(あなたが開塾のご縁のモト、いてくれるだけで幸せ)
「今北先生のポリシーでこどもたちを育ててくださいよ。
何かあったら、俺たちが先生を支えればいいんだ。いいな!みんな」
声を上げて泣きたくなる。

部屋の隅からありがと・
「塾生はいっぱいいるから大丈夫だよ」
やっと言えた。
身体の中「ありがとう」が
あなたにもあなたにも、駆けめぐる。

なべにうどんを入れて、食べて、お開き。
「片付けようぜ。自分で食べたものは片付けろ。いいな」
又も、きりりとした大家さんのK君の一声。

きれいに片付けて帰っていった。

ご恩の大家さんの息子K君・今や夫ではなくて、毎年、あなたに会いたくてくる後輩が多いよ。
1期生の5人は新年会の顔。

同窓会会長のN君・(去年から2世塾生の息子を連れてくる)
O君・(仲人は今北先生に・・2児の父親)
さっき泣いてくれた幼稚園のY君、
開塾・いの一番の塾生M君・(毎年の2日の同窓会を切り上げて来る)
Y君(町内会の隣組)T君(今年は兄弟で来てくれていいな)、
8期生のいつものM君(ずっとビールついでくれて)
K君(我が家のように台所に来てつまみを焼きながら「先生、これ」」
胸ポケットから可愛い娘の写真をみせてくれた)
T君(10人くらいのライブをやりたんです。じゃ、塾でやる?いいですか?いいよ、8月みっちゃんライブ決定!あとで主人に言っておくね。)

この不思議な
どこまでも優しくて、
頼りになって、力強く
「このままでいいよ、先生・」
大きくうなづいてくれる、
親でも子でも兄弟でもないのにやたら恋しい仲間の卒業生と
来年の正月も元気であなたたちに会いたいから、
今年も丁寧に子供たちと過ごす。
私の宝物・
あなたたちも
このままでいい、
愛する人のために
あなたを必要とする誰かのために
元気で暮らしてね。
今北玲子


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2008年1月 3日 20:56に投稿されたエントリーのページです。

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