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お父さんお母さん

娘が10代、帰りが遅くて夫に怒鳴られた。
「こんな遅くまでなにしてるんだ!」
沢尻えりかバリに「別に」
そんな調子でたてついたのは後にも先にも一度、
その後父親には敬意を払っているが、この間、プイとした・
「ねえ、どうして?お父さんはこまごまと気がつくんだろう?お母さん?」
「それはねえ・・お父さんだけど・・・お父さんお母さんだから」
「あっそっか!言えてるー・やることはお母さん!だよねえ」
娘が笑い、
二人で台所の隅でしばらくそう!そう!そう!
ぐだぐだ笑って
「じゃあ、下の弟は?お母さん?」
「弟だけどしっかりしているから弟だけど兄さんお父さん?2役」
「わかる、わかる、不平不満はいわないもんね。下は?」
「いつ帰ってくるんだ?遅いなあ。いつも姉の帰宅時間を心配する、
末っ子お母さん」
「じゃあ、じゃあ、私は?」
「あなたもね・・弟思いでしっかりしているからお姉さんお母さん」
そう!そう!言えてる!私ってお母さんだよね・・ぐだぐだ、また二人で笑って
「お母さんはねえ・・・」娘が考えた。
「なあに?」
「お母さんはねえ、
お母さんお父さん、玲子さんおとうさん、玲子さん玲子さん」
ほおーっ。うれしかねえ・
ひとりごちして
つかの間、ほめられた気分で暮らしていた今日。
夫とめがねを買いに一番丁へ行った時、
「玲子さん、地球堂がなくなったよ・さびしいよねえ」
「ここはなにがあったんだっけ?昔の店がやっていけないなんてどういうこと・」
そう、地球堂はなんとしても惜しい、いやだ、です。

それにしても一番丁は久しぶりなのにまあ、世情にも界隈にもよく気のつく
やはり、あなたは父さん母さん、
内心つぶやいた時、
私・突然道を間違えて振り向いた気分。
ほめられたと思っていた私の・・・お母さんお父さんって
『お母さんではないよ』
そういうことだよね?迂闊!

そういえば、昨夜も洗っていない山のような食器を背にして
ビール飲んでいたら、娘が洗ってくれた。
「ごめんね。そのままにしてて。ビール飲んだら洗うから」
「いいよ。たいしたことじゃないから」

せめて、娘が帰ってくる前に茶碗だけでも洗おう。
「玲子さんお母さん」
たまには言われないと!

でも、できればささやかな希望
お母さんお父さんでもない、お母さんお母さんでもない、
だらしない母だけど、
妻だけど、
私・
塾で知り合う子供たち
夫や3人の子供たちの
「良心」でありたい・・なりたい・・
Reiko

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2008年1月11日 00:29に投稿されたエントリーのページです。

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