あけましておめでとうございます。
昨年はつたないブログを読んでいただきありがとうございました。
昨年の暮れのことです。
ひそかな私の自慢は耳と鼻。
教室のどんなささやきも聞こえます。
「消しゴム貸して」
「自分の使えよ」
「忘れたんだ」
貸してあげたら?
「先生、聞こえたの?」
はいな。
隅っこにいる小学生の会話も聞き洩らしません。
「そこ、答えなに?教えて」
あのね、
教えようとしているところに行きます。
諦めずに自分で考えてからね。
すごい、玲子先生の耳、なんて、褒められたりして。
でもこれは職業柄聞こえるようになるもんなんですが、
それにしてもいい耳を親からもらったと思っておりました。
鼻も、そうなのです。
「これ大丈夫?」
冷蔵庫の危ない煮物や賞味期限の切れた食品を
まず鼻で、不安な時は舌で、家族の毒み役、
私の鼻と舌を意外に家族は信じてくれます。
その自慢の鼻が
暮れになって拾う匂いがありまして。
コンビニで中年の男性が私の前を、通りすぎた。妙な匂いがした。
お風呂に入った方がいいですね。心の中で、そっとアドバイス。
教室で夫が私の前を通った。
さっきと同じ妙な匂い。
オーデコロンでも買ってあげようかな。小、中学生は匂いに敏感だし、嫌われないようにね。
小学生が質問に来た。
あらっ、あなたも。妙な匂い。
まさかこんな小学生が中年と同じ匂いだなんて。
先生、さよなら。中学生の女の子にも同じ匂い。
考えた。これは私の匂いではないだろうか。
深呼吸して匂いを探った。
ふっと誰も通らないのに匂いがする。
もう一度、
同じ匂いがする。
もう一度、
する。
やっぱり、あたしだ。あたしの匂い。
年末年始で急に不安になった。
鼻が病気になったのかもしれない。どうしよう。
電話帳で繰って順番に耳鼻科にかけたが、どこも診療が終わっている。
「今日、診察をしていますか」
夕方まで開いているという有難い先生を見つけた。
生まれて初めての耳鼻咽喉科だったんです。
耳と鼻には小さな頃から自信がありましたもので、
今までお世話になることはありませんでして。
椅子に座って鼻を覗かれると、怖くなりましたが、
「いやな匂いがするんです」
小さな声で言った。
「そうですか、レントゲンをとりましょう」
小部屋でお辞儀をするようにして鼻を板につけた。
診断の結果、急性副鼻くう炎。
慢性になると蓄膿症になるからきちんと直さないとね。
はい。
飛び込んだ耳鼻科の先生はお美しい女医さん。
天は二物を与えるんだ。
うっとりしながら、注意を聞いて薬をいただいた。
原因がわかって一安心。
今年の努力目標を見つけました。
復唱しまーす。
「問題は我が内にあり。人のせいにするなかれ」
今年もどうぞよろしくお願いします。
玲子